最近、ワグネル(・グループ)代表であり創始者のエフゲニー・プリゴジン氏が盛んに弾薬不足、兵站の細さを訴えて撤退をちらつかせている。物資不足などの兵站の問題であれば、直接クレムリンにホットラインでプーチンに訴えれば良いと思うのだが、あえてネット上の乗せて世界に訴えている。
なぜか?
最初に載せた動画は効果があってロシアから「一時的な」供給があって、継続的な攻撃はムリにしても「今やるべき事はできる」といったニュアンスであった。
数ヶ月前から兵士不足、弾薬などの物資不足、兵士や国民の士気低下はニュースになっていた。このことは眉唾で聞かなければいけない。が、兵站の細さで物資不足、士気の低下に危機を感じていたのだろう。これは額面全てを受け入れることは危険で、西側の希望的観測の色も濃く出ている。
ロシアは「戦略核(小規模な核爆弾)」の使用もちらつかせているが、これをやってしまえば国連での立場は悪くなり、世界中から扶南を浴びることにより、逆ギレでロシアの国連脱退のような、かつての日本が辿った道になりかねない。(今の国連のルールでは常任理事国解任はムリです)なので、戦略核は脅しになっても、あくまでも脅しでロシアも使えない。
そんな中でワグネルの「戦線離脱の脅し」はプーチンにとって脅威に違いない。もはや戦線でまともに戦っているのは、すでに占領した地域で「親ロシア」の地域とワグネルのみである。
ワグネルのプリゴジン氏とプーチンの関係は密でプーチンが今のワグネルの貢献者と言ってもおかしくないが、そこはビジネスライクなのかお金にならず、ただ自軍の消耗を強いられるのような「ウクライナ戦争」は士気を維持出来ないのかも知れない。いくら創設者がプーチンとねんごろでも、その下で働く傭兵はしょせん金で雇われている労働者ですからね。
いかに戦争が近代化、科学化しても前線で戦闘することには変わりなく、物資供給する「兵站」の重要さは今も昔も変わりない。
つまりは戦う戦闘員、指揮する者、全ては人と言うことです。士気を失えばすぐまさ自軍は敗退ということは歴史に学べば解るはずです。
ここでひとつ懸念があるとすれば、戦況悪化がロシア国内で周知の事実になれば「ロシア国内での反乱・クーデター」である。ロシアは核保有国であるので、核管理問題やプーチンに虐げられていた軍幹部、国内の民族や自治領などの蜂起で混乱を起こすようであれば、ウクライナ戦争以上の世界的混乱になりかねない。
ソビエト崩壊がおおむね平穏に済んだのはレアケースと考えなければいけない。