狂人の頭の中

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狂人の頭の中「戦争が止まない世界に送る 与謝野晶子『君死にたまふことなかれ』」

2022-09-19 22:43:34 | 狂人の頭の中
あゝをとうとよ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ、
末に生れし君なれば
親のなさけはまさりしも、
親は刃(やいば)をにぎらせて
人を殺せとをしへしや、
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや。


堺(さかひ)の街のあきびとの
舊家(きうか)をほこるあるじにて
親の名を繼ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ、
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家のおきてに無かりけり。

君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戰ひに
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の血を流し、
獸(けもの)の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ。


あゝをとうとよ、戰ひに
君死にたまふことなかれ、
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは、
なげきの中に、いたましく
わが子を召され、家を守(も)り、
安(やす)しと聞ける大御代も
母のしら髮はまさりぬる。

暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻(にひづま)を、
君わするるや、思へるや、
十月(とつき)も添はでわかれたる
少女ごころを思ひみよ、
この世ひとりの君ならで
あゝまた誰をたのむべき、
君死にたまふことなかれ。
 

君死にたまふこと勿れ 朗読:森繁久彌 与謝野晶子

私感・・・
私自身人の親ではありませんが、世間の人達が『評論家』ぶって、この戦争は必要悪といってはばからない人は多く居ます。しかし、我が子が親類の子が戦場に赴かざるを得なくなったときにそのような心境になれるだろうか?きっと「君死にたまふこと勿れ(君死に給うことなかれ)」と思うに違いない。
「ウクライナ✕ロシア」の戦争は、あたかも「ウクライナ側が正義でロシアが悪」という構図に映るし、西側マスコミ各社はそのように報道している。しかし、戦場は常に「人殺し」が相互に行われ戦場には正義が無い。今「賢者」のような扱いをされている西側諸国は対立を煽るばかりで収束への努力は見られない。このまま行けばさらに戦線は拡大しかねない。「賢者」といわれる国々はどのように収束するか絵を描いているのか?