8/6、ウクライナ軍、
ロシア西部クルスク州に越境攻撃!
との衝撃的なNEWSが流れました。
ウクライナ精鋭部隊による奇襲により、ロシアでは92の集落を制圧され18万人以上の避難民が発生しました。数千人規模のウクライナ軍は同州の1250㎢を支配下に置き、駐屯司令部まで設置しました。州内のスジャ(国境から100Km/人口;5千人)には、親ロシアの立場をとるハンガリーはじめ東欧の一部の国に送るガスパイプ輸出のための中継拠点があります。ウクライナ国内では、自爆ドローンやハイマースなどによりウクライナが反撃しているように見えますが、東部ドンパス地方ではロシア優位が続いており、全体的にもロシア軍が優っている時期でもあります。
これまで、義勇軍などの部隊がロシア国内に侵入したことがあるようですが、ウクライナ正規軍がロシア国内に侵攻したことはないという。専守防衛の考え方で、自爆ドローンでのロシア国内の軍用飛行場に対する戦闘機や関連施設をはじめ、石油関連施設への攻撃、石油港湾に停泊している軍艦・水上艇などを無人自爆艇で破壊・撃沈させたといったNEWSはありました。ウクライナは、この度のロシア領内への侵攻はどのような意図があり、今後の戦況にどう影響するのでしょうか?大きなリスクを背負いながらウクライナ側のねらいは何だったのでしょうか?
ロシア国境が簡単に破られ、多くのロシア兵が捕虜になりました。これは第二次世界大戦以来、外国の軍隊によるロシア領土への最大規模の侵攻です。ロシアの政治的打撃は大きく、ソーシャルメディアも見て見ぬふりをするのは難しいことになりました。プーチン氏は今回の侵攻は襲撃だとし、侵攻とか戦争という言葉を避けています。これは、国内の動揺を極力抑えるためと考えられ、ウクライナ軍はすぐに押し戻されると。ウクライナ軍は、セイム川に架かる3つの橋を破壊し、侵攻した地に要塞を築いています。ここには戦略的・戦術的な駆け引きがあります。
ウクライナは、侵攻したエリアを「緩衝地帯」をつくるためといっています。この侵攻の意義は、➀ロシア軍を分散・再編させること、②停戦に向けた領土交渉の有利性、③ウクライナ国民の戦意高揚、④捕虜交換の優位性などいろいろな見方があります。とりわけ、ロシアがどのような対応をするか、今後の動向を注意深く見守っていきたいと思います。期せずして、アメリカとロシアの停戦に向けた事前交渉が始まる寸前とのこと。これはロシア側が断ったという。ロシア侵攻が始まり2年半、両国の失地回復の戦いは混迷を深め、未だ終息の兆しはみえません。