第1章『常識を信じていると危ない!』の 「健康のカギはエンザイムの量だった」を要約します。
エンザイムとは、生物の細胞内で作られるタンパク質性の触媒の総称。生命体には必ずエンザイムがある。人間の生命活動の消化吸収、新陳代謝、体内に入った毒素を分解し解毒するのもエンザイムの働き。そのため、エンザイムの量と活動度が健康状態に大きく影響する。体内で働いているエンザイムは、体内で作られるものと食物として外部からとるものの2種類がある。
胃相・腸相の悪い人たちに共通していたのは、エンザイムを消費する生活習慣。酒やたばこの常用、大食、食品添加物を含んだ食事、ストレスの多い生活環境、医療品の多様など、エンザイムが大量に消費する生活習慣を繰り返している。また、悪い食事によって腸内で作り出された毒素や、紫外線やレントゲン、電磁波を浴びるときに多量にできるフリーラジカルの解毒にも大量のエンザイムが消費される。
これらのことからも、健康を維持するためには、体内のエンザイムを増やす食生活をすることともに、体内のエンザイムを消耗する生活習慣を改める必要がある。
現在エンザイムは、健康をつかさどるカギとして世界的に注目を集め、研究が進んできているが、まだわからないことがたくさんある。アメリカの酵素研究の第一人者のハウエル博士は、生物が一生の間に作ることのできるエンザイムの総量は決まっているという。一定量のエンザイムを「潜在酵素」と呼び、その酵素を使い切ったときが、その生命体の寿命の尽きるときだと。体内にあるエンザイムの量が、その生命体の命運を握っていることは確か。
エンザイムを作り出すことのできるのは、生命体だけ。発酵食品のようにエンザイムを多く含む食物を人工的に作ることができるが、そのエンザイムを作り出しているのは細胞などの微生物である。しかし、微生物が酵素を作りやすい環境を整えることはできても、酵素そのものを人工的に作りだすことができない。エンザイムを多く含む食物を摂取することは、腸内環境を整え、腸内細菌がエンザイムを作るのを助ける環境を整えることが大切。このことが、新谷食事健康法が「食」を重視する理由である。