ちょっと工夫を凝らした長いフレーズを弾くとき。
生徒さんのそれがどうも基礎練習の延長に聞こえる時があります。
しかるべきアクセントを入れて音の切り際に気をつけて、、、。
それでも、フレーズにオーラみたいなものを感じなかったら、
一度それをテンポを揺らして、ルバートに直してみたらいいと思います。
そうするとフレーズの中に、
ジェットコースターが駆け抜けるような空気の緩急を感じるかもしれません。
僕は、メロディーの中に風が吹いたり、しなった木が反動で元に戻ったり、
浜辺の波が寄せてはひいていく様をイメージしたりします。
そういう自然の持つ力学みたいなもの、重力感って大事ではないかと思います。
曲が始まる前にカデンツとかルバートと呼ばれる
一人の演奏みたいなものをやるとき、
それが終わった時に「なんか今晩は特別な夜になるかも」
みたいな予感と空気を醸し出すことができれば、
それはとても高級なものなんじゃないかな、と良く思うのです。