知新 温（あらた おん）写真展
【 『 Diffused Reflection－光華鏡 』～江戸切子と光の饗宴～ 】
2013年6月29日、１ヶ月にわたる個展が無事に終了致しました。
期間中、沢山の方にお越し頂き、心より感謝申しあげます。
タイトルの“ Diffused Reflection ”とは、乱反射を意味します。
今回の写真展では。
江戸切子の精緻なカットに降り注いだ光が、四方八方へと広がっていく光跡
光線の角度によって刻々と移り変わる硝子の表情を写し止められたらと思い、
今まで試したことがないライティングやカメラセッティングに挑戦しました。
大判カメラと銀塩フィルムの圧倒的な描写力、印画紙による広い階調で、
この神秘的な被写体を描写できたことも、大きな幸運でした。
巧緻でクリスタルガラスが力強い輝きを放つ、篠崎硝子工芸所の作品。
優美で繊細な曲線の美しさが際だつ、根本硝子工芸の作品。
どうしたらそれぞれの作風を活かせるのか？
撮影中は、自分の知識とスキル不足に悩み続ける日々でしたが、
写真技術の定説を覆す事によって初めて、突破口が開けた気がします。
何度もくじけそうになりながら、最後までやり遂げられたのは、
伝統工芸士方々が、自らの作品を私に託して下さった「潔さ」に
深く心打たれたからに外なりません。
この個展を通して、
無限に広がる写真表現の新しい扉を、開けられたように思います。
さらに技術を高め、もう一度撮影してみたいテーマに出逢えました。
遠方から会場にお運び下さった皆様、
会期中写真展を応援して下さった皆様、ありがとうございました。
皆様のお気持ちを力に換え、より優れた撮影者になれるよう、
誠実に写真と向き会い続けることをお約束し、
御礼の言葉とさせて頂きます。
最後に、
企画からプレスリリース、ワークショップ、会場の設置撤収、
そして会期中は細やかな心遣いで、常に全力で
写真展を支えて下さったガスミュージアム元島純子様へ、
御礼申しあげます。
貴女がいて下さったから、戦い抜くことが出来ました。
本当にありがとうございました！
本日、夕方の飛行機でカナダへ撮影に向かいます。
「撮り直しのできる瞬間はない」と心に刻み、
さらなる飛躍を目指して頑張ります。
１０月には元気に戻りますので、
今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
2013年6月30日
食空間カメラマン 知新 温（あらた おん）
