深度計予備回路

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ATH-14のお話・・・・・

2008-11-08 10:44:17 | ボトムズ(模型とか嘘設定とか)
昨夜は、お船の展示会の為、模型部のおじさんのとに、ノーチラス号とか預けにいったのです。
そのおじさんは、模型部員の家を回って、作品を日産キューブに満載し、会場に向かうという、大変な役回りをされるのです。
ありがとう!ありがとう!!!
その中には、部費で買って、よってたかって拵えた、バンダイのでっかいヤマトも混ざっており、輸送は極めて大変なのです。

朝6:30から始まる輸送作戦・・・・・・

<<途中で、輸送車がテロリストに襲撃されたらどうしよう!!!>>


輸送中に、前方の事故で停車、覆面の男たちがキューブを囲み

「おい!積荷をよこせっ!!!」

「むむ!これは、みんなの大事な作品だ!渡せないぞ!!!」

「じゃあ、死ね!!!!」


バキューーーーーーン!!!!!

「くそう・・・・みんな・・・すまん・・・・・」<BGM 太陽にほえろ 殉職のテーマ

   

     <<あぁっ どうしよう!!!!!!!!!!!!>>


まぁ、ネタはともかく、模型お休みの折、また読み物でお茶濁すのです、今日は、ATH-14のお話

くどいですが、本編とか、断片的に出されてる設定とかを、咀嚼しながら、
嘘で固めてフィクションした俺設定なので、かるーくお楽しみくださし

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ATH14
「“巨大な歩兵”からの脱却」

ギルガメス軍において、いや両軍通じて、もっとも配備数が多いATは、ATM09型 通称“スコープドッグ”である。

両軍における同機の評価は、「汎用性に優れた、バランスの良い傑作機である」というものと、
戦局激化の折、ATという兵器の有用性が認められつつあるなか、必要とする要素を
“極めて最低限にバランスさせる”ことに成功した機体が、その生産性も含め、
需要の波に乗った結果、爆発的に蔓延しただけである、という二つに分かれる。

ただ、“AT技術の優れたフォーマット”としての同機は、その運用の模索も含め、
両軍の兵器認識を改革したことに異存は無いだろう。

09型は、一億にも及ぶといわれる配備数で予測されるとおり、
デビュー時より絶え間ない改良が繰り返されているが、皮肉にも、その機体思想を変えるには及ばず、
“矮小でパイロットスーツ無しでは気密もままならない最低限のコックピット”
“通常射撃距離において、AT携行火器が容易に貫通する薄い装甲板”
“それらを含む機体重量を稼動させる動力を内蔵するのに、最低限の補機類搭載スペース”といった、
ある種致命的ともいえる欠点が、確信犯のごとく、放置されたままであった。

この「“マンニミマム、マシンミニマム”といったコンセプトをもって、
AT戦におけるギルガメス優位の状況を作り出した」という現実が、
その傾向を、現在に至るも継続させていると、推察せざるを得ない。

標準装備では「巨大な歩兵」以上の運用が困難な09型は、現場からの更なる要求に応える為、
徐々にその姿を変えることを余儀なくされる。

寒冷地、亜熱帯地域といった局地任務機への改造、突撃作戦、拠点防衛にむけた重装甲化、あるいは、高機動化。

各々最低限と言われた、機体スペックは、必要な部分を、重点的に補うことで、
“巨大な歩兵”が、“軽戦車”となり、“水陸両用車”になることを可能とした。

ただし、それら全ては、抜本的な改装に過ぎず、更に高度なフォーマットとなる強力な機体が待たれることになる。

そんな中、ウットヘルト社が開発した新型が、ATH14として軍内の試験を通過し、制式採用されたのである。

ATが兵器として本格的に運用されていた当時、09型に乗るパイロットから待たれる要望は、
H14開発開始の段階で、すでに具体的なものとなっており、それらに対応する事が急務とされた。


1 パイロットの体系を選ばない、余裕のあるコックピットスペースと戦闘環境を持つ事
2 それを内包するボディシェルは、09型以上の耐弾性をもち、充分な気密を実現すること
3 接近戦用の固定武装を標準装備すること
4 09型に困難とされる、重稼動に耐える出力を得る事
5 以上を実現しつつ、09型並の機動性を有する事
                              ETC 


これらの条件を満たす為、新型は、09型の特徴とも言える”限りなく人型を模したシルエット“と決別し異形の形状がとられた。

コックピットは、ワンモーションのスラント形状とし、重装甲化を容易にすると同時に、兆弾効果を得やすいものとし、
ハッチの開口ラインを、側面に移動させ“クラムシェル形式”とする事で、十二分な強度と、良好な整備性、昇降性を得たのである。

このボディシェルは、内部に充分な空間を持ち、大柄なパイロットの搭乗を許容するだけでなく、
被弾変形の際にも生存率を格段に上げる事が出来たのである。

09型でいう「狭苦しい鉄の棺おけ」は、一転し、「軽車両並みの居住環境」を持つ事となった。

動力関係の配置も合理化され、09型でウィークポイントともなっていた腹部のコンプレッサーが、被弾率の低い背面に移動され、
空いたスペースを生かして、固定式の11mm機関銃2門を、搭載することが出来た。
この機銃ユニットは、極端に前後長が短い特殊な機関部が与えられた新設計であり、
スペース効率の厳しいATに搭載する固定武装として非常に優れた逸品であるが、装弾数や作動に聊かの問題を残している。

メインカメラユニットは、“三眼複受像式”のものが、別体式の頭部に収められ、
“最悪のケース”においても、パイロットの防弾に貢献することが出来る配置とした。
しかし、側方及び後方に大きな死角を持つものであり、ハッチ側面に、防弾硝子付の開閉窓を設ける事で対処してはいるものの、
局部的な防弾性能の緩さと、視界の問題は、H14のアキレス腱となっている。
<優れた狙撃兵は、大口径ライフルで待機状態のH14のパイロットを、窓越しに狙撃する事ができたといわれている。

これに組み合わされる四肢は、曲面を多用して兆弾効果を見込んだ形状となっており、
強力なMCを内蔵して、大型化による重量増加に対応している。

H14は、開発初期において、高出力化による稼動時間の短さが、問題視されたが、
後頭部に、大型のPR液リザーブタンクを背負わせることで、解決に至った。
このタンクは、視覚的に、ウィークポイントと目されるが、その断面形状と装甲厚で、
ボディパネル以上の耐弾性を有する大変頑丈な物である。
<機体が爆壊しても、このタンクが原型をとどめているケースさえある。

パワフルで打たれ強い上、パイロットの生存率も段違いの新型は、兵士たちに諸手をあげて歓迎され、
すさまじい勢いで、配備が進んだのである。

「スタンディングトータス(陸ガメ)」のペットネームが付けられたH14は、
余裕のある設計で、09型で対応が困難とされた、超局地仕様への改装も比較的容易であったし、
重装甲を生かした“ATによる密集突撃”と言う、新しい戦術さえ可能とした。

この機体の登場をもって、ATは“二足車両”から“二足戦車”に、シフトしたといっても過言ではない。

ただし09型に足りなかった部分を大いに補い、戦闘兵器としての完成度を上げたH14にも、問題点は山積している。

まず、09型の二倍にも届くと言われる、機体コストの問題。
更に、いくらパワーで補おうとも、末節重量の大きさは、遺憾ともしがたいうえ、
大きなボディシェルに、高所配置のPR液タンクと、かなりトップヘビーな重量バランスであり、
機体重量から想像されるより自立安定性に欠けること。
先述の、カメラ形状による、視界の問題等等

皮肉な事に、H14のウィークポイントは、ほぼ全てが、09型におけるセールスポイントであり、
両機は、ケースバイケースに共存する事になる。
それぞれに搭乗するパイロットの思考も両極端であり、
14型を求めるパイロットと、09型を愛用するパイロットでは、戦術理論からして、水と油ほどの開きが有る。

では「H14は、打たれ強いだけで、高機動戦闘に向かない 鈍い機体なのか?」

機体重量が大きくトップヘビーである事は、高機動時におけるバランスの悪さを示すことになるが、
パイロットスキル如何では、重い上体を使ったダイナミックな加重移動と、姿勢変化を利用して、
09型に勝るとも劣らない旋回性能を実現する事が可能である。

「09型でなら、もっと突き詰めた運動が出来る」と言う向きもあるかもしれないが、
パイロットが操縦技術をもって、重ATが持つ運動能力のネガを極限まで抑える事を可能とすることが出来るのに対して、
09型が内包する構造上の限界は、乗り手によって解消することが不可能な事項がほとんどなのである。
14型以降に制式となった機体が、ほとんどがH級であるという現実は、このクラスの存在意義を、強力に後押しするものと言える。

09型に続く配備数を誇る14型も、常に、改良が加えられている。
ポスト09を目指し開発した、メーカーの思惑とは違い、軍は当初H14を後方支援機として採用したため、
初期型では、接近専用のアームパンチ機構や、グライディングホイルが省略されている。
しかし、実際は、最前線の突撃任務に用いられる事も多く、程なくグライディングホイルが追加されることになる。
更に、11mm機銃を持つ頑丈な機体が、近接戦闘においても非常に有効である事が判明するに至り、アームパンチ機構も追加搭載された。

その後も、改良はくりかえされ、大戦末期には、大幅な仕様変更を受けた機体が導入されている。

H14は、その製造コストの関係から、生産数に対して軍への制式導入数が常に下回る事が多く
(この期に及んでも人命軽視の傾向であり、09型の配備効率を優先しているといった上層部の思想によるところも大きい)
大量の余剰機が、ブラックマーケットに、流出したのである。<民生用に、再改装された機体も存在する
結果、反政府組織や、私設軍隊の多くがH14を装備し、機体のイメージを大きく貶めているという現実は、真に遺憾と言える。