昨夜北千住の飲食店でちょっとした隙に誰かに本を持ち去られてしまった。ものの数分間の出来事。生まれて初めての経験でした。とても信じられなかった。タイトルは「河原者ノススメ」著者は篠田正浩さん。日本の芸能の歴史を古代から検証し、被差別者の歴史的な考察を通じて日本の闇を切開し、芸能の未来への可能性を再考する労作。構想50年。二ヶ月前に購入してじっくり真剣に取り掛かろうって考えて、心の中で期を熟すのを待ちながら楽しみにしていた本でした。最近やっと読んでもいいかなと思いモチベーションも上がってきていたので読みかけ途中のアクシデントは結構ショックです。本を持ち去った人の目的は多分…古本屋に売りに…定価3780円。カバーがないので買い取り価格は恐らく200円でしょうか?ガックリ…本を持ち去った人はニッコリするのかな?日本の世知辛さを実体験できて良かったかも。何でもプラス思考の僕。今は取り外してたカバーを眺めてため息をつくだけ。かなり専門的な内容の本なので読み込むことは一苦労すると思うけど…また本屋さんで買い求めればいいけど、釈然としない心境です。昔、ある知り合いが営んでいる植物園で希少な山野草が持ち去られ、その場所に看板を立てて悔しさを滲ましていたけど、複雑な気持ちです。世の中本当に色んな人々がいるんですね。自戒しながら真面目が一番!そんな気持ちで気分転換して本屋さんに出掛けます。もしかしたら「まだ僕には読むのが早過ぎるのかも」
池内紀・評 「河原者ノススメ」
池内紀・評 「河原者ノススメ」
