りゅうぎん総合研究所(池端透社長)が25日までにまとめた「県内における2016年プロ野球春季キャンプの経済効果」によると、期間中の観客数は33万2千人、効果額は100億400万円でそれぞれ過去最高を更新した。
観光入域客が好調に推移する中、新監督や注目選手の話題で球場を訪れる野球ファンが増え、初めて100億円の大台に到達した。
オリックス・バファローズの2軍キャンプがなくなったことで、今年2月に県内でキャンプを実施したのは前年より1球団少ない9球団。
選手・球団関係者の参加人数は前年より50人減の千人、報道関係・解説者は200人減の1750人だった。一方、期間中の観客数は前年を2万500人上回る33万2千人と好調で、このうち県外から訪れた観客は1万2千人増の6万6千人と推測した。
観客の宿泊や飲食費、練習施設整備費などの直接支出額は、前年比8億2600万円増の65億1600万円だった。直接支出額に自給率を掛けて算出した「直接効果」は57億4900万円、原材料やサービスなどを提供している産業への波及効果を示した「間接1次波及効果」は25億7100万円、雇用者の所得増加に伴う各産業への生産誘発効果を示した「間接2次効果」は16億8300万円となった。
三つの効果額の合計で表す経済効果は前年比13・6%増の100億400万円となり、これまでで最高だった14年の88億8千万円を11億2400万円上回った。
産業別では宿泊業が17億8200万円、飲食サービス12億1300万円、商業11億8800万円、製造業10億7100万円などの順だった。
球団別では阪神の34億7900万円が最も大きく、巨人の15億7300万円が続いた。
りゅうぎん総研は「老朽化した施設や周辺施設の整備、更新が重要な課題だ」と指摘した。