県民の台所「ありがとう」牧志公設市場建て替え前最後の営業
第一牧志公設市場の移転セレモニーのフィナーレで集まった市民らにお礼の挨拶をする城間幹子那覇市長(前列中央)や市場関係者ら=16日、那覇市松尾の第一牧志公設市場(喜瀨守昭撮影)
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老朽化で建て替えられる那覇市の第一牧志公設市場は16日午後6時、現市場での営業を終えた。沖縄の台所として戦後の庶民の生活や食文化を支えた市場の大きな節目の日を心にとめようと、この日も朝から多くの地元客や観光客が来場し、にぎわった。関係者らは閉場後の午後7時、移転セレモニーを開き、市場に感謝するとともに、生まれ変わる市場の発展を誓った。
市場の歴史は1947年頃、現在の開南バス停付近を中心に形成された闇市から始まった。48年に那覇市が現在の平和通り沿いの場所に露天商人を集め、50年には現地に廃材で建てた市場が開設された。60年代には移転の話が浮上し、69年に第二公設市場が完成。しかし業者の移転は進まず、同じ場所で72年には建て替えられ、現市場が完成した。
新市場は7月1日から約3年間の仮設市場での営業を経て、2022年に完成する予定。移転先の仮設市場は現市場から北西約100メートルに位置する「にぎわい広場」で開業する。セレモニーでは仮設市場の完成イメージ図も披露された。
第一牧志公設市場の粟国智光組合長は「閉場は本当に寂しい。不安もあるがマチグヮーと市場は運命共同体。未来志向で新市場に思いを持っていきたい。素晴らしい愛される新市場になると思っている」と展望した。
【琉球新報電子版】