松庵

シナリオライター
&絵コンテマンな
松浦の軌跡。

初心に返って

2011-05-15 16:55:16 | なんでもない日々
NHKの某科学番組を見ていて思い出しました。
そもそも、なぜ松浦が小説を書いているのか? ということです。

松浦は図書室の好きな小学生でした。
でも、本が好きだったわけではないのです。特定の本を読むためだけに通っていたのです。
その本こそが『コスモス』でした。

宇宙へ思いをはせ、時空の謎に心奪われるためだけに同じ本を何度も読み続けていたのです。
やがて、いたんできたその本は廃棄され、松浦の関心は別の本へと変わっていくのですが、路線は同じでした。
当然、小学生にありがちな将来の夢は「科学者」でした。

でもそんなたいそうなものにはなれないってことは、高校生になる頃には十分理解できたし、もっと刺激的なものに心を奪われていた年代でもあります。

今、こうして人生の終点がちらちら見え始めると、なにか一つこの世に残したい。
そう思うようになります。
でもその考えは悪魔の誘惑でした。売れるための努力はしても、残すべき意思の選択は放棄してしまった。

初心に返って、小説というツールを使ってあの頃感じていた「わくわく」を残す。
それができたとき、松浦も成仏できるのでしょう。
コメント
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