湖畔の杜ビール、湖畔の杜レストランORAEのミミです。
「ORAE 秋田の伝統野菜プレートセット」に使用している伝統野菜の紹介です。
今日は「ひろっこ」です。
萌芽したてのアサツキを「ひろっこ」と言います。
と言っても春、畑から出た新芽を言うのではなく、雪の下の地熱で種球から萌芽したものを言います。
「ひろっこ」、これは秋田だけの呼び方かと思いきや、山形もひろっこと呼びます。
ひょろひょろとした状態と若いと言う事を指して「ひろっこ」と呼んだのかと思っておりましたが、アサツキの来歴をたどると平安時代に遡るとの事ですから、もしかしたら江戸時代に北前船で持ち込まれたものなのか、はたまたアイヌ民族と共にの越冬の知恵として伝わったものか・・・と勝手に想像を膨らませております。
何の根拠もないのですが、農家が雪の下の地熱で萌芽したものを頂いてきたという単純な歴史ではない気がしてなりません。
降り積もった雪を掘り土からわずかに顔を出した「ひろっこ」は黄色い色味でいかにも柔らかいと言う感じです。頂けるのは積雪期間の12月から3月までです。
秋田ではニシンに豆腐、「ひろっこ」を入れた貝焼き「かやき」が定番ですが、山形はタコやイカ等と酢味噌和えして頂くようです。
いずれにしても魚介類と合わせて頂くあたり、古くは冬のご馳走であったと思われます。
深く積もった雪を掘り起し、土にまみれた「ひろっこ」を冬の小川で洗って頂いてたわけですから、その苦労の分ご馳走と言っていいと思います。
さて湖畔の杜レストランORAEの「秋田の伝統野菜プレートセット」では、今のプレートセットで皆様に「ひろっこ」を味わって頂きたく、春にピクルスにして今秋に備えました。
根本のふっくらした部分は酢漬けにしても美味しいので、ピクルスはおすすめです。
酢漬けにすると、らっきょ風になります。
箸休めには最適ですよ。
酢漬けになっている状態の「ひろっこ」