山の中でキャンプ (1/2)

　関西に来てからは初めての数年ぶりとなるキャンプツーリングを決行した．8月くらいから虎視眈々とキャンプ復活を狙っていた．その昔に東北や中部地方を周ったころのキャンプ道具一式を引っ張り出してきては，補修を続けてきた．さすがに劣化した樹脂の部分だけはどうにもならなかった．



　デイキャンプ組が帰ってからは，キャンプ場を独り占めすることになった．滝のすぐ前にテントを張ってみた．滝，と言っても天然のそれではないが，中々の迫力だった．フライシートは加水分解してべたべただけど，気にしない．



　夜はアルコールバーナを使って，質素な食事をとった．滝の目の前ということもあって，風が強くて風防が役に立たなかった．久しぶりのキャンプで興奮していたせいもあって，テントの設営場所で初歩的なミスを犯してしまったようだ．もちろん，滝の音で寝付けなかったのも当然である．

　山の中で独り，寝袋の中で，夜が明けるのを待つ．ここ10年のあいだに起こった色々なことが，走馬灯の様に呼び起された．楽しかったこと，辛かったこと，自分と向き合うよい時間だった．