七色ダム

　今年としては初めて訪れた池原ダムで，青空の素晴らしい景色とポカポカ陽気に恵まれ，もう少しだけ，下北山村を南下してみることにした．この下北山村の川沿いの並木道は，あと数週間もすれば淡いピンク色の花でいっぱいになる．



　奈良県の下北山村から，三重県神川町にある七色ダムへとやってきた．七色ダムは，池原ダムの下池となっており，池原ダムと揚水発電を行っているそうだ．まさにこの二つのダムは，兄弟同士ということが言えそうだ．



　そして，ここは飛び地として有名な和歌山県の北山村に隣接したところにある．七色ダムから放水されてくる水は，瀞峡を流れる北山川を形成することになる．七色ダムの直下の流域は，河原というよりは熔岩大地のような荒々しさで，岩石の隙間を水が静かに分け入り，流れている．



　七色ダムの天端は国道169号線となっており，西側へと天端を抜けた先には，真っ暗で水がしたたる隧道へと接続する．この隧道を抜けると，和歌山県の北山村となる．この道はこの二年間で，何度走ったか分からないほどである．



　この辺りは，四季を通して水の色が七色に変わるために，七色峡と呼ばれている．七色という漢字がいいし，"なないろ"という響きもよくて，自分の中でのお気に入りの場所である．そんな旅の途中，七色ダムでひと息ついて，人馬ともに疲れを癒すのだった．