六所神社で参拝を済ませた後は,この冬一番の寒さに心が折れて,帰路へと向かうことにした.それでも寒さで脳の感覚が麻痺してしまったのか,宇治田原町と和束町をつなぐ舗装林道,鷲峰山線へと体が勝手に動いていた.
鷲峰山線の途中には,金胎寺という古くから山岳修行の地だった寺院がある.辺りには小雪がちらついていた.ここでオートバイを停めて,金胎寺を目指して歩いていくことにした.
傾斜のきつい道で,真っ白な息を吐きながら進んで行くのだった.山岳修行の地を連想させる険しい道だ.金胎寺は天武天皇の時代,675年に建てられたということだが,詳しいことはよくわかっていないらしい.
山門までたどり着くもここで寒さが限界へと到達してしまった.色々と観てまわりたかったところだが,それはもう少し暖かくなってからの楽しみにとっておくことにした.後ろ髪を引かれる思いで,金胎寺をあとにした.
山を下りてしまえば,そこにはもう雪のない景色が広がっていた.このような極端な景観の変化を味わうことができるのも,関西という地域だからかもしれない.さらには,日本というの独特な位置にある島国だからこそ実現し得る光景であるとも言えるだろうか.
真冬というライダーにとっては敵である季節を,ありがたく享楽する変わり者と自負しながら,寒さに震えて家路へと向かうのだった.
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