オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

和束町に雲海があらわれた日

2020年10月28日 | 和束町~茶源郷~


 京都府の南部,和束町では年に数回ほど,深い霧や雲海に覆われる日がある.最近,土日のどちらかが天気が悪く,なかなか思うように走り込めていない.そんな訳で,日の出前からオートバイに跨ったとある休みの日のこと.運よく,雲海に巡りあうことができた.和束町に抜ける直前の腰越峠では,眼下に雲海が広がっていた.



 腰越峠を下って,和束町に入ると,まさに雲海の中であり,辺りは一面真っ白だった.雲海の中で茶畑をひと目見ようと思って,お気に入りの茶畑がある三国越林道に向かうことにした.



 深い霧で,視界の悪い三国越林道を注意深く進んで行くと,山の斜面へと放射状に広がるお気に入りの茶畑へと辿り着いた.雲海の中で見る茶畑は,いつもと違って幻想的だった.



 時刻はとうに6時を過ぎており,太陽は空へと昇っているはずであるが,辺りは一向に明るくなる気配はなかった.京都へやって来て丸二年が過ぎたが,これほど深い霧,ないしは雲海に包まれた日は今までなかったと記憶している.



 幻想的な茶畑は,オートバイでもっと距離を走りたいという欲求をかき消してくれた.三国越林道を進むでもなく,戻るでもなく,シャッターチャンスの赴くままにオートバイを走らせることにした.



 とは言え,満足できるような絵は撮れなくて,あれこれ試行錯誤してシャッターを切っていると,雲海は徐々に消滅していくのだった.明るい日差しが降り注ぎ,雲海で隠れていた山が姿をあらわし始めた.



 そうこうしている内に雲海はあっという間に消えてなくなり,頭上には爽やかな青空が広がっていた.幻想的な茶畑から,自分の知っているいつもの茶畑に急遽,様変わりするのであった.



 辺りをよくよく見渡してみると,ススキがキラキラと輝いていた.もうそんな時期になるのかと思うと同時に,私にとってはキャンプインの季節が到来したことになる.けれども,今年は色々な事情もあって,キャンプツーリングはよそうと思っている.これもコロナウイルスの影響と言えば,そうなのかもしれない.

コメントを投稿