幅員狭小で,かつ路面状況の悪い和歌山県r45を走行して,しばらくすると,目の前に特徴的な景観が現われた.ちょうど一年前,この場所を通過した時,とても印象に残ったところだ.
それは,r45の道路脇にある倒壊した廃屋群だった.どれも去年から,ほとんど姿を変えずに残っていた.この廃屋の木たちが,朽ちて自然に帰るまでにあと何年を要することだろうか.
この一年の間に,台風による大雨が幾度もあったにも関わらず,この廃屋はなお健在であった.が,ふすまの障子はボロボロに破れていた.カーテンのある暮らしに慣れてしまった今,破れた障子を見ると,年の暮れに障子紙の張替えをしていた幼少の頃の記憶が思い出されるのであった.
廃屋の倒壊区間を過ぎると,無事にr44との分岐点へ辿り着くことができた.左の道はr45だが,行き止まりとなっている様だ.r45の先を覗いてみると,このマシンでは進入をためらう程に路面が荒れていた.ここは賢明にr44へと直進することにした.
r44は,路面状況もよく,r43に比べて幅員も少しは広い.そして何より,視界の開けた展望の良い景観が続く道となっている.天気もよく,紀伊の山並みを一望することができた.
ここまで来れば,新宮市の熊野川町まで,あともう僅かだ.古座川町から始まったルートフォーティシリーズも,もうすぐフィナーレを迎えることになるのであった.
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