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サンギリトンネルを走り抜けて、大鍋小鍋の滝を鑑賞した後は、一路、坂本ダムを目指して、サンギリ線で深い山の谷間を下って行く。新緑の時期ならではの、緑のトンネルがとても爽やかだ。自動車でなくオートバイでなければ、この爽快感は味わえないことだろう。
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新緑が気持ちいいサンギリ線だけれど、じわじわとその本性を現してくる。坂本ダムに近くづくにつれて、路肩の斜面から小さな崩落や落石が目立つようになってきた。オートバイを停めて、写真を撮ってる間にも落石が発生しそうな雰囲気だ。
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崩落による大きな岩や落石が、谷側の路肩に積み上げられている。これもまた、サンギリ線の特徴のひとつかもしれない。そんな道路状況にも負けず、カーブミラーはその役目をしっかりと果たしている。交通量が皆無とは言え、安心してコーナリングさせてくれる頼もしい存在だ。
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その後もなお、危険な香りがする道路状況が続いていく。とは言え、R169が自然災害で通行止めになると、このサンギリ線が迂回路になることもある。東ノ川集落が無人地帯になってしまった今でも、存在価値のある道だ。
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ちょっとハラハラするようなシーンもあったけれど、ようやくサンギリ線の坂本ダム側の起点にたどり着く。通行止めがなく、無事に走り抜けることができて、やれやれという感じである。
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そして、目の前に現れるのは、開放的な大自然と坂本ダムの堰堤だ。ここまで来ると、人工物は道路とダム湖だけで、人と出会うこともまずない。山奥にただ一人いることを実感させてくれる坂本ダム特有の感覚に、とても懐かしい思いがした。
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