和歌山県は東牟婁郡(ひがしむろぐん)串本町の大島.大島は,串本町の沖合1.8キロメートルの海上に浮かぶ周囲28キロメートルの島だ.串本町から,くしもと大橋を経由して,大島へ車両で渡ることができる.
くしもと大橋を渡る前には,苗我島という小さな島を介して,ループ橋で高度を上げていく.海上に浮かぶループ橋だ.この便利な橋ができたのは,平成11年でまだ20歳という若さだ.橋ができる前に活躍していたフェリーは,現在お役御免になっている.
大島には,和歌山県道40号樫野串本線が,島の中心部を東西に走っている.この道は展望が望めないので,海岸沿いの集落へと向かう村道を行くことにした.大島漁港を眼下に,対岸の串本町を一望することができた.
大島漁港周辺は,波も穏やかで静かな時が流れていた.対岸にあるのは,位置的に串本漁港だろうか.少し前まで自分がいた場所でも,こうして島から見ると,まるで様子が違って見えるのが面白かった.
大島漁港を後にして一路,大島を東に向かってひた走る.大島の最東端である樫野埼灯台が見えるところまでやって来た.この辺りの海には暗礁がたくさんあって,明治23年に遭難してきたトルコ軍艦が座礁し,多くの犠牲者を出している.この時,島民が必死の救命と介抱に尽力したという.この出来事が,トルコとの友好関係の原点だとも言われている.
大島から見る紀伊半島は,海岸線を形成している陸地部の背後に,大きな山脈が壁のように立って見えた.海を介して一歩引いたところから見る紀伊山地は,とても雄大だった.
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