和歌山県はすさみ町の雫ノ滝に立ち寄った後,3桁県道のr225を走行する機会があった.正式な名称は,大附見老津停車場線と言うらしい.停車場線といえば,数年前に走行した那智山麓の南平野下里停車場線を思い出す.
停車場線という名が付く道路は,大抵はいわゆる険道であるらしい.前線に渡って,ほぼ一車線の道が続く.林立した樹木によって,辺りの雰囲気は晴れた日の昼間でも薄暗い.
この辺りは和歌山県南部のすさみ町といって,海がきれいで素晴らしいところだ.そんなすさみ町のイメージとは裏腹に,山間部はとても山深くて海の存在を感じさせない.
標高400メートルほどの香ノ塔峠まで,狭くて曲がりくねった道が続く.峠は切り通しになっていて,これといって何の特徴もなく,あっさり通過してしまい写真を撮り損ねる.
海は近いけれど,全線に渡って視界は開けず,海を見ることはできなかった.そして,当然だが一台の車両とも出くわすことはなかった.この道は地元の方が生活道路として利用しているだけなのかもしれない.
自動車の普及や道路の整備が始まる前は,山間部から見老津駅まで行くのにこの峠道が重宝されたことだろう.その見老津駅,そして海はもう近くだ.転落しないよう路肩にだけ気を付けて,すいすいと山を下って行く.
鬱蒼とした山間部を駆け抜けると,松原那智勝浦道路の橋脚の下に出る.橋脚の下には黄色い花が,辺り一面に咲き乱れていた.
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