馬野渓(まやけい)と言って,青山高原の西側の麓に深い渓谷がある.馬野川沿いに舗装林道が走っていて,青山高原へとつながっている.紅葉の見ごろは過ぎてしまったけれど,馬野渓から青山高原へ抜けることにした.
馬野渓の舗装林道は,何度か通ったことがあるが,とにかく路面状態が悪い.深い谷なので,日中でも日光がなかなか差し込んでこない.そのため,道には濡れた落ち葉が敷き詰められている.スリップしないよう,慎重に進んでいく.
道中には,馬野川小水力発電所がある.この発電所は,1919年に稼働し,1958年に老朽化により廃止されたという.しかし,地元の有志らによって.発電所を61年ぶりに復活させたそうだ.
道路からは馬野川へ容易にアクセスできるようになっている.水は冷たく透きとおっている.ここで岩に腰掛けて,伊賀市内のコンビニで調達してきた昼食をとる.川の流れの音以外,何も聞こえてこないほど,とても静かなところだ.
青山高原へ近づくにつれて,急に冷え込みが強くなってくる.そして,見頃は過ぎているが,紅葉で色付いた樹木が散見されるようになる.暗く深い谷に降りそそぐ日光は,紅葉を明るく照らし,とても眩しかった.
それにしても,道がひどく荒れている.雨水が染み込んだスギやヒノキの枝葉がグリースのような粘性体となって,路面に堆積している.そして,この粘性体の下には,鋭利な石ころが潜んでいる.それでもって,辺りは暗いので,本当にやっかいな道だ.
道中の一台のオフロードバイクとすれ違う.オフロードバイクは,この道を何ともないように颯爽と駆け抜けていった.わたしもかつては,KLXというオフ車に乗っていたことがあって,当時は獣道で何度も危ない目にあったのものだ.
馬野川の舗装林道をやっとの思いで駆け抜けると,風力発電機の白き巨人たちが出迎えてくれた.そして,目の前には快晴の青山高原が広がっていた.
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