二月上旬,久しぶりに紀伊半島へと遠征しに行った時のこと.京都から伊賀の山を越え,伊勢自動車道から紀勢自動車道を経由して,終点の尾鷲まで一気に走り切った.そして,ちょっと休憩するために一般道へ降りてから,尾鷲港へと立ち寄ってみた.
昼下がりの静かな尾鷲港では,サギ科と思われる鳥が出迎えてくれた.人間に慣れているのか,大分近づいても全く逃げようともしない.おかげでいいモデルとなってくれた.
そして,自分の中では尾鷲港のシンボルとなっている旧火力発電所の高さ230メートルにおよぶ煙突が,冬の澄んだ青い空へ向かって,まっすぐにそびえ立っていた.2018年12月をもって,尾鷲三田火力発電所は廃止され,現在は解体工事に入っているという.
写真を撮っている間に,かもめが随分と至近距離までやってきては,しばらく佇んでいた.尾鷲港は,漁業が盛んであり,港の波止場は絶好の釣り場となっている.鳥たちにとっても,ここは楽園なのかもしれない.
港の建屋や重機の上に目を向ければ,精悍な顔立ちをした鳶が何やら思案中の様子であった.その精悍な顔をもっと寄って撮ってみようと思い,気づかれないよう静かに歩み寄ったけれど,あっという間に飛び立たれてしまった.
鳶の甘いマスクは逃したけれど,港に入ってくる漁船を写真におさめることができた.休憩のために立ち寄ったわけであるが,目まぐるしく入れ替わる景色にシャッターチャンスが途切れることはなかった.随分と長居してしまったようで,慌てて今宵の宿へと紀伊半島を南下していくのだった.
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