しばらく真冬とは思えない暖かな陽気が続いていたが,最近になってようやく冬本番といった感じだ.奈良県宇陀市の山中にて,電光掲示板の温度が-5℃と-6℃の間を行き来していた.体の芯まで凍ってしまいそうで,震えながらのライディングを強いられることになった.
交通量の少ない道や日陰の路面には,シャーベット状の霜が降りていた.天気は晴れたり曇ったりと変化が激しくて,米粒以下の大きさの雪が常に舞っていた.天候・路面共に最悪のコンディションであったが,数人のライダーとすれ違うことがあった.こんな日にライダーと出会うと,いつも以上に嬉しく思うのだった.
今回は県道28号線で奈良県を南下していくことにした.途中,塗装された木彫りのゴリラ像のあるところで,路肩にオートバイを停めて写真を撮ってみた.これはどうやらチェーンソーアートのようだ.ここは良く通る道だが,道幅が狭くて,いつも気にはなっていても素通りしてしまっていた.
そして,この道を南下していくに従って,気温がぐんぐんと下がっていき,宇陀市で氷点下となってしまった.あまりの寒さにこれ以上の南下はやめにして,ちょうど去年の今頃に訪れた高井の千本杉を見て,帰路へと向かうことにした.
高井の千本杉は根元から数十本の杉が融合していて,枝を縦横無尽に振りながら空へ向かって伸びている.寒さも手伝って,ぴんと張りつめた神々しい雰囲気が漂っていた.
この高井の千本杉は,樹齢600年と推定されている.幹回りは25メートルで,樹高は30メートルということだ.去年訪れたときは持っていなかった広角のレンズで写真を撮ってみたが,その全容をカメラにおさめることはできなかった.
高井の千本杉はご神木であり,お参りに来られた方が来たので,すれ違うようにしてオートバイに乗ってその場を後にした.帰路は,砥取かかし笑顔公園の自販機でホットコーヒーを買って暖をとった.晴れ間が差していても,すっかり体の芯まで冷えてしまったようで震えが止まらなかった.
和束町まで戻り,梅の開花状況を調べてみた.今年は暖冬ということもあって,五分咲き程度だった.でもこの寒さで,梅の花も人間と同じように縮こまったように見えるのだった.天気予報によると,この寒さも週半ばで終わるそうだ.今年は二月中旬から満開の梅を鑑賞できるかもしれない.
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