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奈良県は吉野郡十津川村にある二津野ダム.以前に紹介した風屋ダムの少し南側に位置したところにある.快走路である国道168号線から側道へと分岐した道を進んで行くと,大自然の山深きところにダムが忽然と現われる.
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10月の半ばを過ぎた頃の二津野ダムは,すべてのゲートを開けて放流を実施していた.辺りには,凄まじい轟音が響き渡っていた.二津野ダムは風屋ダムと同時期の1960年代初頭に竣工されている.竣工に際しては,洪水や工事中の事故で,困難を極めたという.
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最近の度重なる台風の襲来で,ダム建設の賛否が問題となっている.この小さなブログでは,ダム建設に対する意見などを論じるような崇高な知識などは持ち合わせない.ただ,ダムは火事が起こって,消火にあたる消防士のような存在ではなかろうか.
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平時の時はあまり有難がられないが,いざという時にその本領を発揮する.例えば,機械のメンテナンス業を本職とする人たちは,機械が故障しないように絶えず仕事をしている.そのおかけで機械は故障をしないわけであるが,ついついその仕事をしている人たちの存在を忘れてしまう.
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この日の二津野貯水池は,ほぼ満水となりながらも放流をしていた.物事は何でも多面的に,よくよく考えてみなければならない.旅の途中,そんなことを思いながら,二津野ダムでひと息ついて,人馬ともに疲れを癒すのだった.
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