6月4日、朝早く起きて、谷地坊主観察会のために観察道具を自作し、乙女高原まで登り、観察予定の湿地に行って、観察会の流れを考えました。まずは、湿地をできるだけ広く見渡せる場所から眺めてもらいます。すると、谷地坊主のある場所とない場所がくっきりと分かれています。ヤマドリゼンマイの群落が湿地の右岸から左岸までおおっている箇所があるのですが、そこから上流は谷地坊主だらけ。でも、ヤマドリゼンマイから下にはほとんど見られません。「この違いを産み出しているのは何か」を考えてもらうところから観察会を始めよう。よーし、準備万端。
ところが、参加者の皆さんが集まり、話を始めたところ、たいへんなことがわかりました。山本さんがご友人と4日前に探索し、「黄色いスミレ」を発見したというのです。冬の乙女高原フォーラム(テーマはスミレ)で講師のいがりまさしさんが存在を予言したスミレです。
参加者はそんなに多くありませんでしたし、皆さん、ファンクラブの関係者やイベントへの参加体験者ばかりだったこともあり、「谷地坊主観察会はお休みにして、そのスミレを見に行きませんか?」と提案。谷地坊主はいつでも見られますが、黄色いスミレは今しか見られない・・・というか、今なら見られる!!からです。
参加者は7人。途中まで車で行き、そこから歩いて現地に向かいました。乙女高原よりだいぶ標高が高い場所です。こんな時期なのに、まだタチツボスミレやミヤマスミレが咲いていました。ミヤマザクラはまだつぼみ。
1時間以上、歩いたでしょうか。突然、黄色いじゅうたんのような黄色いスミレの群落が迎えてくれました。苔むした岩に冷たい水の流れがあるような、少し湿った場所でした。
キバナノコマノツメは名前に「スミレ」が付かないスミレです。他のスミレに比べ、花びらが長細く、人間に例えると、手足が長いスラッとした体格でした。ずっと見ていても、見飽きません。「このスミレに虫が来ているところを写真に撮りたいな」と粘ったのですが、願いは叶いませんでした。せっかくなので、黄色いスミレの群落を眺めながら、おにぎりを食べました。
このコース、他にもいろいろな発見があって、楽しめました。他の季節に来てもいいなと思いました。
案内してくださった山本さん、大江さん、ありがとうございました。