一期一会の日々

日々のあれこれ

三度目の正直 富士山登頂~富士宮ルートにて③

2021-10-07 14:07:35 | スポーツ

11:57池田館を出発。コースは違えど、ここから先は未経験ゾーン。
自分のペースで大きく大きく呼吸しながら一歩一歩足を前に出す。
スーパーボランティアさんのような雰囲気を醸し出す男性が
追い抜きざまに、頑張れ!と声をかけてくださる。
富士山をおそらく何度も登頂されているのであろう、
一歩一歩を丁寧に、確実に、一定のペースで繰り出すさまを思わずじっと見つめる。
同じように歩いてみるも、少しずつ、でも確実に離れていって、
ゆっくりと見せて実はそうでもないことに気づく。
辛いなぁと思いながら登っていると、小屋でただ待つにはあまりにも寒すぎて
トレーニングと称して二人がお迎えに来てくれた。
そのままJKはしばし降りていき、私は上を目指す。
九合目萬年雪山荘、12:33着。おにぎりの残りを食べたような。
レインウェアを上だけ羽織る。
バフの上から帽子を被り、
レインウェアで頭を覆えばあたたかいし先のようなストレスもない。
アーモンドチョコレートを配布。二人とも大喜び!
雲海の合間からわずかながら下界が見えるけれど、
雲海の上はさらに厚い雲が空を覆い、
あれが駿河湾と言われても陸と海の境目がよくわからない。

九合目萬年雪山荘、12:41出発。
振り返るとここから九合五勺までが一番辛かったかも。
足が重くて前に出ない。左足の靴の中が寒さで感覚がなくなってくる。
寒くならないように足を動かし続けなくちゃと思うけれど、
それでも前に出す一歩の重いこと重いこと。
九合五勺胸突山荘に13:08にたどり着いたときの動画をリーダーが撮ってくれていたが
アポロが月面着陸した時の宇宙飛行士のような足取りだった。
小屋前の平地を歩くのもポテポテといった有様で、完全にポールに頼っている。
顔はかろうじて笑ってはいるものの、体は既に疲労困憊だ。
ここで休みすぎると歩けなくなる。
そういえば、ここまで一度も座って休憩していない。よく頑張っているよ!
九合目では剣が峰も行こう!と声がかかったけれど、雪もちらつき始めた中
山頂で寒さに凍えて待たせるわけにもいかない。
剣が峰は行かないことを告げ、
山頂に着いたら私を待たずにそのまま剣が峰へ行ってもらい、
二人が折り返した後の山頂で待ち合わせとした。

13:17、二人より先に胸突山荘から出発。
あと一踏ん張り! ここまで来たらもう絶対登頂するぞ!
相変わらず宇宙飛行士だけど、折り返し下山されたスーパーボランティア風さんに
すれ違いざま、辛いねぇ。辛いねぇ。頑張れ~と、共感と励ましをいただく。
どこに消えてしまったのか、他には誰にも会わなかった。
登山道の鳥居をくぐり、あ~これは頂上が近いなぁとまだ山頂でないのに既に感無量。
  そしてそして、富士の宮口頂上! 13:53。
分かち合う人がいないと、こんなにも響かないものなのか。
それとも雪がちらつく中、寒さでよくわからなくなっているのか。
曇天でも360度視界が広がっていると思っていたのに、そういう場所でもなかったからか…。
誰もいない、独りぼっちの富士山山頂。
でもじわじわとこみ上げてくるものもあって…
  私はやったんだ!登り切ったんだ!
日本一高い山を独り占めしてるなんて、こんな贅沢はないんじゃない?!

お鉢の中をのぞき込めるものと思っていたけれど
あとからGPS記録でわかった駒ヶ岳方面に行ってもそれは叶わなかったので
おにぎりを食べることにする。
神社が見えて、その向こうの頂きに写真撮影している男性をひとり発見。
その彼もほどなくしてこちらに向かってきたものの御殿場ルートから下山して行ってしまった。
待てども誰も現れず、寒さ対策にマウントパーカーを追加で着込んだところで
どこからともなくひとり二人と人が現れ始めた。