一期一会の日々

日々のあれこれ

大菩薩嶺でソロ登山デビュー④大菩薩嶺頂上→唐松尾根経由下山

2018-08-15 16:58:28 | スポーツ

登頂を無事成し遂げると、ファミリーのお邪魔にならぬよう
丸川峠に向けうカップルに別れを告げ、
頂上滞在3分?で雷岩へと引き返す
やはりまだ雲が広がり、大菩薩湖を取り巻く山々しか見られない

唐松尾根の入口がわかるかと不安だったけれど、すぐにわかった
12:54、唐松尾根から下山開始
少し下ると、視点が下がり、
同じようでいて雷岩からの上から見下ろすような景色とは
異なったものになるのはちょっとした驚きだ
一歩下る度に、視界が変わる。
コウリンカのオレンジ色が点在するササ原の涼し気な斜面
歩くのは尾根スタート時からガレ場
そしてそして、やってきたのはどの本にも掲載されている
急坂ポイント

もう、写真を撮る余裕もなく、一歩一歩集中して丁寧に足を下ろす。
靴擦れが痛いなんて言ってられない
足の置き場が間違いでないか、その一歩に全神経を尖らせる。
これは登りだったらひどい目にあっていたな…。
と、思っている傍から、若いカップルの男性がまず登ってきた。
後から登ってくる彼女を見ると、呼吸も荒く、
もうくたびれ果てて、思考が完璧に停止している感じだった
  わかるよ、わかるよ、その気持ち
  何もしてあげられなくて、ごめんね
そんな気持ちが湧いてくる。
そして、唐松尾根から山頂を目指していたら、
リタイヤしていたかもとブルっと来る
私自身、はた目には既にボロ雑巾の様になりながら下っていたことだろう

あんなに集中して下りていたはずなのに、
足は疲れてしまっていたのか、思いがけないところで
左の一歩が地面に着いたとたん、妙な角度にくねっとなってしまった
一瞬でまずい!と本能的に足を戻し、トントンとついてみると大丈夫そう。
ほっと一安心したのも束の間、ちょっと置き方が違うと
変な痛みを感じるようになった。
岩の上に座って、湿布を貼る。
下りの方たちが数人通り過ぎていく。
これから先どうなっちゃうんだろうと心配しつつも
湿布持参なんて素敵✨と自分に酔うところもあり
いろんな思いがごちゃ混ぜになって、しばしぼーっとしてしまった

  あ、そういえば、人を待たせていたんだ
急に思い出し、それが原動力になる
待っている人がいると思うと、ソロ登山も急に力が湧いてくる
気付いたら急坂、ガレ場が落ち着いていたのが13:15。

ちょっと広くなったところで、登りのおじさんとすれ違う。
  福ちゃん荘が大変なことになっているよ
そんな風に突然声をかけられ、思わず足を止める。
ちょうど行きの車の中で、大菩薩峠事件の話をしていたものだから
立てこもりか 火事か 車まで戻れるのか
一気に不安が沸き上がる
  今日は満室なんだって ロッヂ長兵衛は空いているんだけどね
はぁ~、なんだそれ 脱力~~~
そして、ザックを下ろし服を着替え始めた、あえて乙女の前で。
行こうとするとまたまた話しかけられる。
  バスの時間までに戻ってこられるか。
  ダメだったら、長兵衛に泊まるしかないな。福ちゃんは満室だから。
そういうことなのね
確かにおじさんにとっては大事件だよね…
バスに乗るのか聞かれたそばから車?と問いかけられる。
車と答え、ここまでの道のり、下りが大変で時間がかかってること、
初山で初ソロ登山であることなど話すと、
じゃ、またあとでと言われる。
登りと下り、もう会うこともないのに…
車でもう3時間近く待たせちゃっていて申し訳なくってと続けると
あれ?! 一人じゃないんだと。
同行者の靴擦れの話など経緯を話すと、なるほどねと。
それでも、じゃまたあとでとお別れする。

何だかモヤモヤした気分を抱えながら、下っていく
樹林は緩やかな傾斜で、足の調子も悪くない
ガヤガヤした気配を感じたら、福ちゃん荘の前の広場が見えた。
13:43、福ちゃん荘着
登りは車道だったから、下りは林道で…
そう思って福ちゃん荘の間の細道を年配の集団にくっついていったけれど
あっという間に車道に出てしまった

それでも、車道を走るように下る
もう、驚きのごぼう抜きだ
ゴールのロッヂ長兵衛に13:59着
福ちゃん荘から連絡をしておいたので、
少し移動させておいてくれようとウロウロしている車をロックオン
今まで待たされた割に、福ちゃん荘からのマッハ的なご帰還に驚く同行者
私はと言えば、ハイヤーのようなお迎えぶりにご満悦

こうして仲間を置き去りにして達成したソロ登山デビュー
申し訳なかったけれど、待っている人がいると思えば力も出て、
一人でもやり遂げた達成感と自分への自信にもなった。
きっと、生涯忘れられない山となる大菩薩嶺

ちなみに3時間近く待たされた方は、
学生さんでもあるので試験勉強でもしているとのことだったが、
ひたすら眠りこけてしまったようで…
随分すっきりとした顔をされてました
そして登ってもいないのに、
「大菩薩嶺」と刻印のあるキーホルダーを今日の記念にと用意していただき、
これを見るたびに、ドキドキワクワクのソロ登山の誇らしき思い出
置き去りにした罪悪感を思い出すことになりそうです

 




大菩薩嶺でソロ登山デビュー③大菩薩峠→大菩薩嶺頂上

2018-08-14 07:32:04 | スポーツ

誰が見ているかわからないので特段休憩を取るでもなく、
峠の空気を人目に付かないようにこっそり吸い込んだら
そのまま頂上に向けて歩き続ける
ゴツゴツした岩場の道筋が続くのが見え、ドキドキする
振り返ると富士山が見えるはずだと思っていたが、
曇り空のため、先を見通すような景色は拝めなかった
それでも大菩薩湖を取り囲む山々の緑の稜線は美しい

一人首から立派なカメラを提げて登山する若い男性。
時折シャッターを切るため、歩みは私より速いけれど
着かず離れずの距離を保てる。
  この方に付いていけば、ペース維持できるかも
と思ったのも束の間、何でもないところでセルフタイマーで記念写真を撮っていたら
あっという間に引き離されてしまった

前方に男性確認。
親不知ノ頭に行かれている間にと先に賽ノ河原へ。12:04。
テンポよく下りながら男性がなかなか来ないことがわかると、
今度は親不知ノ頭からの景色を見損ねたことが急に悔やまれる
避難小屋を過ぎたところ、モヤモヤして岩の上で急に小休憩。
小屋に戻ればいいものを、誰も気にしていないのに、一人気恥ずかしくて…
ここで、私も靴を脱いでバンドエイドを。
  実は、1年前に富士登山をした時から、靴擦れをするようになってしまった登山靴
  靴の内側踵部分を確認すると、右と左で硬さが違い、
  硬い方の左足が登りを歩くとあっという間に靴擦れするようになってしまっていた
  そんなことってあるのかなぁ。
それから地図を広げながらモグモグタイム
職場でもらってきた防災用期限間近のカロリーメイトが大活躍。
一気に元気になった。

男性も無事通過し、後を追う。
前方に道に立ちはだかる岩場を確認。
ふ~っと来た道を振り返っている間に、辺りに誰も見えなくなった。
そのまま進む。先が見えない岩場の前に立ちすくむ。
  この岩場を越えたら、本当に道が続いているのか
  越えても断崖絶壁だったらどうしよう
初めての山では道に不安を覚えるものだと、急に怖くなった
みんな急に消えちゃって、やっぱりここを越えるしかないのかしらん?
よじ登るのは楽しいけれど、今回は一人っきり。
先の見えない不安の方が大きくて、心底ドキドキした。
越えてみると何のことはない、先にはちゃんと道があり、人が歩いていた。
もう男性に追いつくことはできず、
かわりにカップルが登場

花の写真を撮ったりしながらさらに進むと、
やけに大きな岩に皆休憩しながらワイワイしていた
ここが雷岩。12:36着。
そのまま木々の中を歩みを進め、あとどれくらいなんだろう?
と思ったところで、先のカップルが何でもない狭い広場で写真撮影を始めた。
隣ではファミリーがお昼の真っ最中
こんなところで写真にお昼と思ったら、
そこがなんと頂上だった 12:44着。
こんなに込み上げるものがない、登頂があるのかと拍子抜け
とはいっても、記念写真を カップルに撮っていただいた

  日本百名山・山梨百名山 大菩薩嶺2057mソロ登頂
  やったね

 



 


大菩薩嶺でソロ登山デビュー②福ちゃん荘→大菩薩峠

2018-08-11 15:11:41 | スポーツ

意を決して、峠に向かって一人で出発 11:05。
ちらっと振り返ると、ベンチで心配そうに見守る同行者。
でももう、私には同行者はいない。一人っきり

平坦な道を行くと、11:14には勝緑荘着
ご婦人二人組が、ポイント記録をメモされていた。
ここからは道幅狭く、いよいよ山道
清流を左手にして登り始めると、瓦礫の道にちょっと驚く。
両サイド笹が生い茂ったり、苔がびっしりのポイントあり、
誰かと歩く以上に周囲に目が行くのは何故かしらん

歩くこと20分
前方に下りの二人組が突然足を止めて、左手奥をじっくりと見やるのを発見。
思わず立ち止まると、笹がカサカサと音を立てて、何か生き物のいる気配
二人組の目線の先だったら、そんな音はしないはずなのに、
足をうっかり止めたばっかりに、熊かと急に不安になる
とりあえず目線を追うと、なんと鹿が2頭 生鹿なのです
すご~い ボケボケながら写真を撮りまくり、気分は最高潮
  でも、やっぱりすぐそこにも何かの気配がして…
前方の二人組は下りてこず、仕方ない、
えいっと一人そろそろと2,3歩歩いて音の方を見てみる。
  わ~っ、小鹿がすぐそこに
ということは、2頭は親鹿だったのか
小鹿ちゃん、どんどん近寄ってくる
後方から歩いて来るソロ登山の男性に思わず声をかける。
  小鹿がいるんです 小鹿がいるんです
1頭と二人で正三角形を作り、写真撮影
耳を立ててこちらを見る、どんぐりまなこが可愛い。
ちょっと痩せ気味が気になる。
あまり気にすると、木の皮を食べてしまう存在としての鹿も気になってくるので
深く考えないようにする。

  ちょっと歩いたら、こんなかわいい動物にも会えたのに…

ご一緒できなかった同行者のことをちょっぴり思い出してみる

介山荘の裏手が急に見え、大回りするように山道を行く
山荘の脇から辿り着いたのは、まずトイレ
二人の女性が並んでいた。
終えた女性が出てきた時に、右ね。と合図。
次の女性も、出てきた時に右ね。と話しかける。
どうやら立て続けの3人はお仲間らしく、いざ私の時は右ね。の合図はなかった。
いよいよ私、扉を開けるとなんと2つトイレが。
登り始めのスマホ水没事件もあり、左のトイレは使えないため、
右ね。の合図が交わされていたと瞬時に解釈してしまった私
公衆トイレ、普段なら絶対ノックするのに、
つい右をノックもせず開けてしまったの。
  目に飛び込んできたのは、パンツを上げようとする女性の後姿
ごめんなさいと何とも言えない声を出し、左のトイレに駆け込む。
トイレの前に置いてきてしまった、派手なオレンジ色のザックで、
トイレを出た後も、相手には私が覗き犯だってばれてしまうだろう…。

迷いながらもトイレを出発。
そして、お店を通り抜け、大菩薩峠標高1897mの看板前に11:51着
生憎曇っていて、遠く富士山を見ることなどはできなかったけれど、
遮るものがない広々とした空間は気持ちいい
先のアクシデントの罪悪感も少々薄れる
大菩薩湖に山の稜線、360°広がる景色は、
一人でここまで登ってきたという思いも重なってとっても清々しかった。

ただ、誰かにお願いするのも憚れて記念写真が撮れず、
腕を延ばす自撮りが下手過ぎて、それだけが空しかった




 


大菩薩嶺でソロ登山デビュー①登山開始から福ちゃん荘まで

2018-08-08 15:52:44 | スポーツ

2018.7.22 sun. 百名山 大菩薩嶺

自宅前6:00発
7:30前には勝沼ICも降りていたのに、フルーツラインの方へ行ってしまったの。
桃畑🍑や葡萄畑🍇を目にして、のどかでいいわ~などと写真を撮ったりして…。
「大菩薩の湯」の前を通過した時には、帰りはここで湯に浸かって~
などと、思いがけず早く到着しそうでキャッキャッ盛り上がっていたのに…
そこからのさらに登っていく山道(大菩薩ライン)。
どうやら行き過ぎたようで、引き返す
霊峰寺の前を通る道(県道201号)にようやっと出て、
何だか変なケチがついたとなったととたん、車酔い…
8:00には上日川峠に着くと思っていたのに、8:30頃到着。

一息付けて、まず公衆トイレに行くと
スマホを落としたという女性が申し訳なさそうに一つトイレ使わないで下さいと。
これから彼女も登山だろうに、可愛そう
スタッフさんを呼んでいたけれど、どうしようもないとのことだった。
公衆トイレを出るとすぐ右手に駐車場
福ちゃん荘までは、林道と車道と事前に調べておいた。
たいして大差はないとのことだったので、
最初は舗装された道で行こうと駐車場前から続く車道を進路に。
8:48GPSウォッチスタート。
おおよそ予定より1時間遅れで出発

ポツポツ歩く 誰も歩いていない道を。車道を。
みんな気合入っているな、林道から言ってるんだね。なんて。
道沿いのホタルブクロ、木苺、何故か下り始めた頃には遠方に湖?の美しき眺め
  もう30分歩いているけど、どうなっているんだろう
何度か地図を見たけれど、もう少し歩いてみようを5回は繰り返したと思う。
しかもその度に歩みを速めてしまった。

福ちゃん荘まで30分とあったはず。
私たちがいくら遅い歩みとはいえ、40分も歩いたら見えてもよさそうなものを
しかも、林道らしき道が全く並走されてない。
下りながら蛇行する車道に、もしかしたらこれは、本当の車道では?!とご提案。
どうやら県道201号だったみたい…。
思い切って引き返す。テンション下がる上り坂

振り出しに戻ったのは10:07。とりあえず、またトイレ
1時間20分もロスしてしまった。
アイドリングが長過ぎたと同行者。
先の妙義山と同じ靴なのに、靴擦れができてしまったとカットバンを貼っていた。

ロッヂ長兵衛の方へ行ってみると、
登山道入り口に看板と桃売りの出店が。
この細い細い道が車道で、すぐ左手に入る道が林道だったのか…

今度こそ本当のスタート、ロッヂ長兵衛から車道を10:26発。
もう、ここまで遅くなったんだからと、のんびり歩く
当たり前だけど登り坂だからか、時折足を止める同行者。
やはり、先のアイドリングが長過ぎたか?!と思いきや、
福ちゃん荘まであと少しのところで、突然、もう歩けないと
靴擦れが痛くて痛くて、歩けないと。
膝が痛くなることばかり想定していたけれど、
まさか靴擦れとは…

とりあえず、福ちゃん荘まで頑張りましょうと励ます。
だましだまし、たどり着いたのは10:48。
ベンチについて一息。
山小屋福ちゃん荘。標高1720m。の看板が胸に刺さる
広々とした場所で、不思議な植物の撮影をしたり、
お土産物をチラ見したりして、あっという間に終わってしまった
大菩薩嶺登山を心に刻む。
ベンチに戻り、大菩薩連嶺案内図を二人で見る。
もう半分用無しと冷凍こんにゃくゼリーを差し出すと、

  ここからは一人で行ってきなさい。
  大菩薩峠までは45分、眺めがよいとあるから見てきて。
  ここで待っているから。

と、まさかまさかのご提案
山の仲間を置き去りにして、一人でそんなことありか
逡巡していると、折角だから行っておいで。
絶対リベンジするから、下見に行ってきてと。
リベンジする山ばかり増えて、きっともうここは一緒にはないだろうなと
それも瞬時に思う
ならば、峠ではなく、てっぺんを目指したい

案内図と睨めっこ。
峠まで登り45分、下り35分、計80分。
1時間強だから、待っているとも言えたんだろう。
でもここは、恐る恐る述べてみる。

  行くなら峠ではなく、頂上が…。

今度は同行者が案内図と睨めっこ。
唐松尾根を行った方がいいか、
登りはきついからやはり表登山道からぐるっといくか
自分で決めなさい。

下りは苦手だから、唐松尾根からと思ったけれど、
登りに1時間、下りは40分。ここで20分の差となると、
峠経由の方が早く戻ってこられる。

  とはいえ、絶対3時間かかってしまうけれど
  そんなにお待たせしてしまっても…。

そうしたら、流石に福ちゃん荘のこのベンチにはいられないから、
下りるのに時間もかかるし、休んだら車に戻っているよ。と。
靴擦れが激しいのに、一人で帰して大丈夫なのかとも思ったけれど
大菩薩嶺への自分の欲が勝ってしまった
しかも、要らないものはすべて置いていけと有難い支持のもと、
足りなくなったらと余分に用意した1ℓ分の水分や行動食を託して

  思いがけず、ソロ登山デビューの始まりだ