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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

教育のICT化は、子どもの学力に「負の影響」を与えているというデータ

2021年02月10日 | こども危機
 ▼ GIGAスクール構想に不都合な研究結果
   ICT教育は子どもの成績を下げる
(電磁波研会報)

 国の「GIGAスクール構想」により、小中学校に児童生徒が1人あたり1台ずつのタブレットなどの導入が進められています。
 しかし、「教育のICT(情報通信技術)化」の有効性は検証されておらず、むしろ逆効果との指摘さえあります。
 たとえば、教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数は2020年3月現在で全国平均で4.9人ですが、1.8人とダントツでコンピュータが多い佐賀県は、2019度の全国学力テストの正答率が43位(下から5位)でした。
 さらに、衝撃的な研究報告を筆者は見つけ、昨年10月に多摩市で開いた5GとGIGAスクールの学習会で紹介しました。
 その論文は、慶応大学山田篤裕研究会が、国際的な学力テストである「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2015」のデータを分析したものです。
 その結果、プロジェクタを除くICT機器の使用は各国とも概ね学力に対して負の影響を与えており、政策意図とは逆に学力を引き下げていることが分かりました。
 分析対象が約3万人と多いため、他の同様の研究と比べてサンプルに偏りが少なく、分析結果の信頼性が高いことを、この論文は強調しています。
 ICT機器が負の影響を与える理由として同グループは「教員のICT活用能力や教材の内容・質が現状では十分ではないことが考えられる」としながら、それらが「十分」になったとしても「学力に正の影響を与えない可能性も考えられる」とも述べています。
 この結果を踏まえてこの論文は、以下の政策提言を行っています。
 「一時的にICT機器の導入を中止し、効果的な活用法を研究したのち効果的な使用方法を用いて再び導入、もしくは効果がないと判断された場合には導入を完全に中止する」。
 しかし、現実の政策は、この提言と真逆の方向へ突っ走ってしまいました。【網代】

『電磁波研会報 128号』(2021年1月31日)


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