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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

派遣業=合法的ピンハネ

2007年08月14日 | 格差社会
 ◆ 格差社会 製造法
鎌田 慧(ルポライター)
 「労働ボス」排除が、戦後民主化の大きな柱だった。米映画の『波止場』をもちだすまでもなく、港湾労働者がギャングの餌食にされていた歴史は、山口組発祥の神戸港にも刻印されている。
 山谷、釜が崎などの「ドヤ街」の手配師も暴力団員の生業だが、日雇い労働者のピンハネで稼ぐ、「口入れ稼業」や「人夫出し」、穏当にいって「労働者供給業」などは、禁止されて当然だった。
 ところが、「供給」を「派遣」に替えただけの「労働者派遣法」が一九八五年に復活させられ、派遣先の規制をどんどん緩和させ、いまや労働者派遣産業の売上高は、十兆円ともいわれている。

 大手派遣業の「フルキャスト」が、厚生労働省から全事業所に一カ月、神戸の三支店にはニカ月間の業務停止命令を通告されたのは、禁じられていた港湾労働に派遣していたからだが、人間を右から左に動かしてサヤを稼ぐ会社を、政府がつくらせたのだから、飼い犬に手を噛まれたたぐいだ。
 フルキャストは、百七十四万人の派遣労働者を抱え、一日当たり一万二千人をも派遣している。
 かつて営業停止処分を受けた「コラボレート」は、「グッドウィル・グループ」傘下にはいり、同グループは、年商五千億円を誇っている。

 「労働者派遣法」は、失業者の生き血を吸う天下の悪法である
製造業への適用を中止し、それまではアブレ手当のある「日雇労働保険」を適用すべきだ。
 『東京新聞』(2007/8/7本音のコラム)

 ◆ ヤクザ資本主義
吉田 司(ノンフィクション作家)
 東京都北区の公園で寝ていた作業員をホームレスだと思って放火襲撃し、殺人未遂で捕まった若者(17)は「町のごみそうじをする」と言ったと報じられている。
 ホームレスがごみならば、携帯・メールで日給仕事を得る「スポット派遣」のワーキングプア=宿無しのネットカフェ難民の若者を何と呼ぼうか。
 またその若者難民から偽装請負のピンハネで利潤を上げている派遣ビジネス大手や、その偽装請負の「合法化」を政府に要請した日本経団連(御手洗キヤノン会長)を何と呼ぼうか。
 日本は国中が醜い、生き馬の眼をぬく、ヤクザな野蛮国になり下がっている。

 ヤクザの起源は江戸時代、大名旗本の土木工事一の人入れ稼業のピンハネから始まったとする説がある。
 つまりね、経済界は二言目にはグローバル資本主義に対抗するための低賃金=非正規労働者の増大と”21世紀的なお話”をするが、実態は封建ヤクザ資本主義への逃亡にすぎない。
 その結果、ピンハネされる若者難民の中には、プアな平和はもう嫌だ! 「生と死のギャンブルである戦争状態」を望むネオ・ナチ風な《希望は戦争》論が発生しつつあるとも聞く。
 もうすぐ62回目の終戦記念日だ。昔やった大東亜聖戦への鎮魂も悪くはないが、いまそこにある危機=ストップ・ザ・ヤクザ資本主義の声を上げる方が先だよな。
 『東京新聞』(2007/8/10本音のコラム)

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