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ドイツ:ナチス強制収容所の91歳元看守に禁錮刑

2011年05月22日 | 平和憲法
 容疑者の高齢化で捜査が困難になる「時間との闘い」の中、最近、対象を「ナチス幹部やドイツ出身者以外にも拡大」し、ユダヤ人虐殺の歴史の精査を進めている
 ◆ ドイツ:ナチス強制収容所の91歳元看守に禁錮刑
   --ミュンヘン地裁が判決

 ◇2万8060人虐殺関与認定「最後の戦犯」

 【ベルリン篠田航一】ドイツのミュンヘン地裁は12日、第二次大戦中にナチスの強制収容所で看守を務め、ユダヤ人虐殺に関与したとして、殺人ほう助の罪に問われたジョン・デミャニューク被告(91)に禁錮5年(求刑・禁錮6年)の判決を言い渡した。判決は「少なくとも2万8060人の虐殺に加担した」と認定したが、既に未決拘束期間が約2年に及び、高齢で逃亡の恐れもないことから即日釈放された。
 ドイツはナチスの戦犯を訴追するため、79年に謀殺(計画的殺人)に関する時効を廃止し、戦犯の追跡を行ってきた。だが関係者も高齢化しており、独メディアは「最後の戦犯裁判の一つ」と報じている。
 デミャニューク被告はウクライナ出身。43年、ナチス占領下のポーランドのゾビブル強制収容所で看守を務めたとされる。戦犯の一人として88年にイスラエルの裁判所から一度は死刑判決を受けたが、その後、本来の被告とは別人と判明して無罪となり、米国で暮らしていた。
 だが09年、収容所で虐殺に関与した疑いがあるとして今度はドイツの裁判所が逮捕状を出し、米国がドイツに身柄を引き渡して、ミュンヘン市内で拘束されていた。
 検察側は当時の収容所の書類などを基に、被告がユダヤ人をガス室に送る手助けをしたと主張。弁護側は、目撃者の証言もあいまいで、証拠も捏造(ねつぞう)と主張し無罪判決を求めていた。
 被告は公判中、車いすで出廷し、ほとんど口頭では陳述せず書面で「私は見せしめ裁判の被害者。誇りも人生も奪われた」と述べていた。
 ユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス市)の報告書によると、現在も世界各地に住むナチス関係者の追及は続いており、09年4月~10年3月に世界各国で実施された捜査は852件。このうちドイツ当局は08~09年の約6倍にあたる177件を捜査した。
 ◇当事者高齢化「時間との闘い」
 容疑者の高齢化で捜査が困難になる「時間との闘い」の中、ドイツは最近、対象を「(従来のナチス)幹部やドイツ出身者以外にも拡大」(同報告書)し、ユダヤ人虐殺の歴史の精査を進めているという。
毎日新聞 2011年5月13日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20110513dde007030002000c.html
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2011/5/18)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/20143670.html

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