◆ 小学2年生を自衛隊特殊車両に試乗させる (金曜アンテナ)
(写真提供:自衛隊・米軍参加の総合防災訓練に反対する実行委員会)
東京都などが主催した第36回九都県市合同防災訓練で、立川市が動員した市立小学校2年生を、自衛隊が主導して特殊車両に試乗させていたことがわかった。
「9月1日7時過ぎ、都多摩東部を震源とする首都直下地震発生」との想定で、都と立川市などが国営昭和記念公園を主会場に実施した合同防災訓練は約1万人が参加。
訓練は、都教育委員会の比留間英人教育長(当時)が、本年3月「立川市教育委員会をはじめとした貴教育委員会所管の小中学校の参加協力及び児童・生徒の見学、啓発に御協力をお願いします」との依頼文を各区市町村教委に出し、立川市教委が、市立小中学生計435人を参加させたものだ。
小学2年生が自衛隊車両に試乗したのは市立第二小。午前9時過ぎ開始の「防災教育」(初期消火、防災クイズなど)終了後、11時過ぎ開始の消防団などによる「救出救助訓練」見学までの移動の間だった。
警察・消防と併設の展示会場で、高機動車や大型救急車、洗濯機搭載車など特殊車両の見学時、自衛隊員が誘導し、女性担任教諭3名らが見守る中、児童92人を数回に分け、大多数をカーキ色の高機動車(大人10人乗り。イラク派兵でも使用)に試乗させたのだ。
9月9日、市民らが立川市防災課に対し「自衛隊車両の見学・試乗は事前の訓練計画に入っていたか」と質問すると、「見学は入っていた」と認め、試乗については「当日の天候が雨で、一般市民の見学者が少なく、手持ち無沙汰もあり、(市や学校側ではなく)自衛隊側から『自衛隊の車に乗らないか』と声かけした」とのこと。その上で、今回の自衛隊車両試乗を「災害対応の車」の「事前対策訓練」、「啓発」と説明する。
だが、安保法案審議中の見学・試乗。市民らは「保護者は、自衛隊に対し多様な考えがあり賛否分かれるのだから、車両見学・試乗するなら、低学年でも学ぶ消防・警察対象に設定すべきだ」と批判する。
『週刊金曜日』2015年10月2日号
=追加取材=(永野厚男・教育ジャーナリスト)
◆ 都立学校生徒の動員と、安倍晋三首相"講評"
都教委は立川国際中等教育学校4年生(高校課程1年生)全員など、都立学校生を約250人動員。
都立学校は自衛隊とは一線を画し、初期消火訓練や応急救護訓練(AED、三角巾包帯法)に取り組む生徒が多かったが、立川高校と砂川高校の生徒の一部は自衛隊の作るカレーを運ぶ係をしていた。
なお視察した安倍晋三首相(61歳)は、「我が国の未来を担う小中高校生が約1200人参加いただいた」と"講評"。だが小中高校生(特別支援学校若干名を含む)の参加数は約700人弱(積算根拠は、『週刊金曜日』10月2日号の「アンテナ」欄掲載記事に明記した立川市教委動員の市立小中学生計435人+上記・都立学校生約250人)。
市民らが「500人以上ものサバ読みはおかしい」と都庁や立川市の関係者に問うと、「『小中高校生と住民が約1200人参加』とあった原稿の「住民(500人強参加)」という語を、(安倍氏が)すっ飛ばして読んだ可能性もある」と答えた。
なお、第36回九都県市合同防災訓練の問題は、10月13日の立川市議会・総務委員会で市側の報告と審議があります。傍聴希望者は立川市役所3階議会事務局で傍聴手続きが必要です。
総務委員会は午前10時開会ですが、防災訓練の報告と審議は、早くても午後1時以降らしいので、多忙な方は、午前中から来る必要はないかもしれません。
(写真提供:自衛隊・米軍参加の総合防災訓練に反対する実行委員会)
東京都などが主催した第36回九都県市合同防災訓練で、立川市が動員した市立小学校2年生を、自衛隊が主導して特殊車両に試乗させていたことがわかった。
「9月1日7時過ぎ、都多摩東部を震源とする首都直下地震発生」との想定で、都と立川市などが国営昭和記念公園を主会場に実施した合同防災訓練は約1万人が参加。
訓練は、都教育委員会の比留間英人教育長(当時)が、本年3月「立川市教育委員会をはじめとした貴教育委員会所管の小中学校の参加協力及び児童・生徒の見学、啓発に御協力をお願いします」との依頼文を各区市町村教委に出し、立川市教委が、市立小中学生計435人を参加させたものだ。
小学2年生が自衛隊車両に試乗したのは市立第二小。午前9時過ぎ開始の「防災教育」(初期消火、防災クイズなど)終了後、11時過ぎ開始の消防団などによる「救出救助訓練」見学までの移動の間だった。
警察・消防と併設の展示会場で、高機動車や大型救急車、洗濯機搭載車など特殊車両の見学時、自衛隊員が誘導し、女性担任教諭3名らが見守る中、児童92人を数回に分け、大多数をカーキ色の高機動車(大人10人乗り。イラク派兵でも使用)に試乗させたのだ。
9月9日、市民らが立川市防災課に対し「自衛隊車両の見学・試乗は事前の訓練計画に入っていたか」と質問すると、「見学は入っていた」と認め、試乗については「当日の天候が雨で、一般市民の見学者が少なく、手持ち無沙汰もあり、(市や学校側ではなく)自衛隊側から『自衛隊の車に乗らないか』と声かけした」とのこと。その上で、今回の自衛隊車両試乗を「災害対応の車」の「事前対策訓練」、「啓発」と説明する。
だが、安保法案審議中の見学・試乗。市民らは「保護者は、自衛隊に対し多様な考えがあり賛否分かれるのだから、車両見学・試乗するなら、低学年でも学ぶ消防・警察対象に設定すべきだ」と批判する。
永野厚男(教育ジャーナリスト)
『週刊金曜日』2015年10月2日号
=追加取材=(永野厚男・教育ジャーナリスト)
◆ 都立学校生徒の動員と、安倍晋三首相"講評"
都教委は立川国際中等教育学校4年生(高校課程1年生)全員など、都立学校生を約250人動員。
都立学校は自衛隊とは一線を画し、初期消火訓練や応急救護訓練(AED、三角巾包帯法)に取り組む生徒が多かったが、立川高校と砂川高校の生徒の一部は自衛隊の作るカレーを運ぶ係をしていた。
なお視察した安倍晋三首相(61歳)は、「我が国の未来を担う小中高校生が約1200人参加いただいた」と"講評"。だが小中高校生(特別支援学校若干名を含む)の参加数は約700人弱(積算根拠は、『週刊金曜日』10月2日号の「アンテナ」欄掲載記事に明記した立川市教委動員の市立小中学生計435人+上記・都立学校生約250人)。
市民らが「500人以上ものサバ読みはおかしい」と都庁や立川市の関係者に問うと、「『小中高校生と住民が約1200人参加』とあった原稿の「住民(500人強参加)」という語を、(安倍氏が)すっ飛ばして読んだ可能性もある」と答えた。
なお、第36回九都県市合同防災訓練の問題は、10月13日の立川市議会・総務委員会で市側の報告と審議があります。傍聴希望者は立川市役所3階議会事務局で傍聴手続きが必要です。
総務委員会は午前10時開会ですが、防災訓練の報告と審議は、早くても午後1時以降らしいので、多忙な方は、午前中から来る必要はないかもしれません。
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