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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

デトロイト市財政破綻

2013年07月26日 | 格差社会
 ◆ 米「新自由主義」の結末

 自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が本社を置くなど、「自動車の町」として知られる米ミシガン州デトロイト市が財政破綻に追い込まれた。自動車産業の衰退とともに人口が流出し、税収減に陥ったことが背景とされる。政府の介入は最低限にとどめるべきだとする「ネオ・リベラリズム(新自由主義)」の一つの結末なのか。(上田千秋、佐藤圭)
 ◆ 車産業衰退 米・デトロイト市財政破綻
 「デトロイトには自己責任でお入りください」「全米一殺人件数の多い町です」。同市の球場で昨秋行われたメジャーリーグの試合で、市警の警察官がこんな文言が書かれたチラシを配った。
 最近、現地を訪れた日本人男性は「外国人が訪れることはまずないが、『8マイルロード』と呼ばれる道があり、そこから向こうが危険な地域とされていた」と話す。
 目を覆うばかりの同市の凋落ぶりは、ハリウッド映画「ロボコップ」を地でいくような事態に陥っている。
 一九八七年に製作された同作品は、近未来(二〇一〇年)の同市が舞台。民営化された警察は、犯罪都市と化した町の治安をロボットに委ねるという内容だ。
 実際の状況はというと、市警に通報してから警察官が到着するまでの時間は、全米平均の約五倍の五十八分。稼働している救急車の数は保有台数の三分の一しかなく、街灯の四割は故障。人口約七十万人の同市で、約七万八千軒の廃屋が無残な姿をさらしている。
 同市が出した破産法申請を承認した州知事の書簡では、殺人事件の発生率は過去四十年間で最悪の水準に達し、全米で最も治安の悪い都市の一つになっていると指摘している。
 同市の負債総額は百八十億ドル(一兆八千億円)以上。
 税収が減る一方、市職員の年金など社会福祉費の増加や人件費を含む経費の高止まりで支出の削減が進まず、慢性的な財政難に陥っていたとされている。
 在デトロイト日本総領事館の元専門調査員で、労働政策研究・研修機構の山崎憲副主任調査員は「州が市に対する助成金を出さなくなったことが直接の原因とされているが、これまで状況を放置してきた州と市の責任は大きい」と指摘。
 さらに「ミシガン州は共和党知事。助成金を出さず、民主党の大票田である市職員の労働組合の力を弱めようという狙いもあったのだろう」と解説する。
 米国では、自治体にも市場原理が容赦なく適用され、財政難に陥って破綻するケースは珍しくない。
 ◆ 日本でも地方切り捨ての風潮
 米国の自治体財政に詳しい佐藤学・沖縄国際大教授は「米国の自治体は自己責任で運営されている。基本的なサービスを維持するために財政のばらつきを調整する日本の地方交付税のような仕組みはない」と語る。
 日本では〇六年に表面化した北海道夕張市の破綻を教訓に、自治体財政健全化法が〇九年に全面施行された。財政面で行き詰まる恐れのある地方自治体は減りつつある。
 ただ、佐藤教授は「日本には自治体の破綻を回避する制度はあるが、いつまで維持できるかは分からない」と懸念する。
 「新自由主義的な小泉政権の登場以降、地方切り捨ての風潮が強まっている。『自治体もつぶれるところはつぶれてもいい』となれば、国として成り立たなくなる」
『東京新聞』(2013/7/24【ニュースの追跡】)

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