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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

生活保護受給者の増加は、自民党政権から続く政府の失政の結果

2012年07月07日 | 格差社会
 【風速計】
 ◆ 生活保護制度の改悪を許すな

宇都宮健児(週刊金曜日編集委員)

 生活保護受給者が二一〇万人を突破し過去最多となる中で、人気タレントの親族が生活保護を受給していたという報道を契機として生活保護に関するバッシング報道が過熱し、生活保護制度の改悪が進められようとしている
 自民党の政策「『手当より仕事』を基本とした生活保護の見直し」によれば、民主党政権下で生活保護世帯が増加し生活保護費が二五%以上も膨らんだことを批判し、社会保障政策は「公助」より「自助・自立」を基本にすべきであると主張して、生活保護制度の見直しが提言されている。同党は、生活保護制度見直しの具体策として、①生活保護給付水準の一〇%引き下げ②医療費扶助の大幅抑制③現金給付から食料回数券等の現物給付へ④ケースワーカーの民間委託⑤地方自治体の調査権限の強化⑥生活保護期間の有期制導入などを提言している。
 六月一五日に成立した社会保障と税の一体改革関連法案に関する民主・自民・公明の三党合意においても、右に掲げた自民党の生活保護制度見直し政策とほぼ同趣旨の内容が盛り込まれている。
 そもそも、この間の生活保護受給者増加の背景には、わが国における貧困の拡大がある
 昨年七月に厚生労働省が公表した二〇〇九年の相対的貧困率は、一九八五年以降最悪の一六%となっている
 貧困拡大の要因として、わが国における社会保障制度の脆弱さ非正規労働者の増加による働く貧困層(ワーキングプア)の増加などが考えられる。
 したがって、生活保護受給者の増加は、自民党政権から続く政府の失政の結果と言える。
 生活保護受給者が増加したといっても、わが国の生活保護の利用率は全人ロの一・六%にすぎず、ドイツの九・七%(受給者数七九三万人)、イギリスの九・三%(受給者数五七四万人)などと比較しても異常に低いのが実情である。
 政府が取り組まなければならないのは、生活保護制度の改悪ではなく、貧困の拡大をストップさせる政策、すなわち、社会保障制度の充実やワーキングプアを解消する取り組みである。
 貧困が拡大している現状で生活保護制度の改悪がなされれば、餓死・孤立死・自殺のさらなる増加を招くことになるのは必至である。
『週刊金曜日』(2012/6/29 901号)
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