▼ 虚偽陳述書執筆の都立高校長 文科省が教育者表彰
君が代裁判でウソの陳述書を書いていた現職の都立高校長が一二月一日、文科省の表彰を受け、天皇への拝謁も行なっていたことが分かった。
文科省は一日、同省講堂で行なった「功績顕著な教育者の功労をたたえる、平成二二年度教育者表彰」で国公私立校長ら一五六名を表彰。同省は「高木義明文科相が表彰状と銀杯を授与。午後、皇居において天皇皇后両陛下への拝謁を行なった」と報道発表した。
この表彰は一九五九年九月、当時の文部相裁定で「教育者表彰実施要項」を策定以降、毎秋、都道府県教育委員会等が推薦する者を文科相が決定している。都教委は毎年、年度末に退職する小中高校の“最優秀”校長を一名ずつ推薦しており、今年の高校枠には須藤勝・都立大附属高兼桜修館中等教育学校校長(六〇歳)が入った。
都の関係者への取材で、都教委は「須藤氏は校長として初赴任した深沢高校長在職中、生活面に課題ある生徒への指導を組織的に行ない、現任校では大学受験に対応するため、学力向上や論理的思考力育成のための様々な授業展開を行なった、学校経営への尽瘁」を選考の際の「功績」に挙げた、という。
須藤氏は、「卒業式等の君が代強制強化の一〇・二三通達と校長の起立・伴奏命令は違憲・違法」との東京地裁判決(二〇〇六年九月)が出た予防訴訟の控訴審で、「深沢高では一〇・二三通達前から教職員の不起立の不適切な実態を都教委に報告していた」という陳述書を提出。だが別件の君が代訴訟の証人尋問で須藤氏は「通達前は不起立を報告していないばかりか、都教委の調査用紙のトラブル等の欄に何も記載しなかった」と、一八〇度異なる証言をし、陳述書の虚偽記載が発覚している。
なお関係者らの話では、「文科省での国歌斉唱と表彰後、須藤氏ら被表彰者一五二名と配偶者らは文科省チャーターのバス八台で皇居に行き、春秋の間に整列させられた。天皇が言葉をかけながら歩くと、校長らは皆、深々と頭を下げていた」という。
『週刊金曜日』(2010/12/24【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1661
永野厚男・教育ライター
君が代裁判でウソの陳述書を書いていた現職の都立高校長が一二月一日、文科省の表彰を受け、天皇への拝謁も行なっていたことが分かった。
文科省は一日、同省講堂で行なった「功績顕著な教育者の功労をたたえる、平成二二年度教育者表彰」で国公私立校長ら一五六名を表彰。同省は「高木義明文科相が表彰状と銀杯を授与。午後、皇居において天皇皇后両陛下への拝謁を行なった」と報道発表した。
この表彰は一九五九年九月、当時の文部相裁定で「教育者表彰実施要項」を策定以降、毎秋、都道府県教育委員会等が推薦する者を文科相が決定している。都教委は毎年、年度末に退職する小中高校の“最優秀”校長を一名ずつ推薦しており、今年の高校枠には須藤勝・都立大附属高兼桜修館中等教育学校校長(六〇歳)が入った。
都の関係者への取材で、都教委は「須藤氏は校長として初赴任した深沢高校長在職中、生活面に課題ある生徒への指導を組織的に行ない、現任校では大学受験に対応するため、学力向上や論理的思考力育成のための様々な授業展開を行なった、学校経営への尽瘁」を選考の際の「功績」に挙げた、という。
須藤氏は、「卒業式等の君が代強制強化の一〇・二三通達と校長の起立・伴奏命令は違憲・違法」との東京地裁判決(二〇〇六年九月)が出た予防訴訟の控訴審で、「深沢高では一〇・二三通達前から教職員の不起立の不適切な実態を都教委に報告していた」という陳述書を提出。だが別件の君が代訴訟の証人尋問で須藤氏は「通達前は不起立を報告していないばかりか、都教委の調査用紙のトラブル等の欄に何も記載しなかった」と、一八〇度異なる証言をし、陳述書の虚偽記載が発覚している。
なお関係者らの話では、「文科省での国歌斉唱と表彰後、須藤氏ら被表彰者一五二名と配偶者らは文科省チャーターのバス八台で皇居に行き、春秋の間に整列させられた。天皇が言葉をかけながら歩くと、校長らは皆、深々と頭を下げていた」という。
『週刊金曜日』(2010/12/24【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1661
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