たんぽぽ舎です。【TMM:No3820】「メディア改革」連載第21回
◆ 暴力団関係者の参加を調査しないと居直り
公文書廃棄を障がい者の責任にする冷酷政治
安倍晋三自公野合ネオファシスト政権は11月初めに問題化した「桜を見る会」選挙買収疑獄を12月9日の臨時国会閉会で幕引きしようとしたが、政権反対党(野党という用語は誤り)の追及チームとメディアの調査報道によって、なかなか幕は下りない。
共同通信の世論調査で内閣支持率が前々回の調査から11ポイントも下落し、不支持がわずかながら上回った。
政権反対党の追及チームは国会閉会後、「桜を見る会」の前夜祭と称する夕食会が開かれたホテルニューオータニで調査し、ホテル側から「明細書は7年間保存しており、顧客側から要請があればいつでも発行できる」という見解を引き出した。
安倍首相と菅義偉官房長官は国会で「ホテル側は、営業の秘密に関わるため明細書は出せないと言っている」と何度も答弁してきたが、それが真っ赤な嘘とわかった。法人税法は見積書や明細書を7年間保存するよう企業に義務付けており、安倍首相はホテル側に明細書の提供を求め、国会に提出すべきだ。
また、安倍後援会が作成し内閣府に送った招待推薦者リストは、安倍事務所のパソコンに保存されているはずで、これを国会に出すべきだ。マスメディアに公表しろとまでは言わないが、国政調査権を持つ国会には名簿を提出すべきだ。
預託商法を展開し、破綻した「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が2015年に首相推薦枠で招待されたり、反社会的勢力が参加したりしていた問題もある。
首相の配偶者の昭恵氏の推薦枠があったことも判明している。
政権が11月末、昭恵氏は「私人」と再び閣議決定したのも意味不明だ。昭恵氏は安倍記念小学校疑獄も含め、国会で説明すべきだ。
安倍政権は12月10日の閣議で「反社会的勢力の定義は困難」とする答弁書を決定した。また、共同通信によると、菅官房長官は11日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」に出席していたとされる反社会的勢力を巡り、定義は難しいとの考えを重ねて示した。「犯罪が多様化している。定義で固めることは取り締まりも含めて、かえって複雑になる」と述べた。
政府が2007年に取りまとめた指針では反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団・個人」と位置付けていた。
「桜を見る会」に招待され、菅氏と一緒に写真を撮った人の中に、組織暴力団関係者がかなりいたのは間違いなく、「反社」の定義がどうこうの問題ではない。菅氏が「結果的に入っていた」と認めた暴力団関係者の身元を調べないと居直ることが不当なのだ。
11月20日に安倍首相を公選法・政治資金規正法違反で東京地検特別捜査部へ刑事告発した「税金私物化を許さない市民の会」は、12月9日午後5時から7時半まで、衆議院第2議員会館内で、「安倍政治にとどめを!」集会を開いた。
集会では、市民の会の田中正道共同代表が「市民一人一人が安倍首相の税金の私物化を許さないという抗議の声を挙げよう」と挨拶。
参加できなかった告発代理人の山下幸夫弁護士は「日々新しい情報が出て、ますます、これが、安倍首相の公職選挙法違反、政治資金規正法違反という法律違反であり、犯罪であるということが明らかになっている。国会論戦だけでなく、東京地検による捜査によって、その真相が明らかにされるべきである。この告発が受理されるように、地検に働きかけていきたい」とのメッセージを寄せた。
告発人(50人)を代表して講談師の神田香織氏と私が報告した。
神田氏は「福島原発事故の前から原発の危険性を講談で訴えてきた。原発事故に責任のある安倍氏が再稼働を強行してきた。福島の状況はアンダーコントロールと?をついて東京五輪を誘致した。今度は、芸能人に会えるという触れ込みで、公的な桜を見る会を選挙運動に使った」などと話した。
また、「桜」疑獄では、政府は、クリスマス、大晦日、正月になれば民衆は忘れると思っているのかもしれないが、桜が咲く時期が近づけはこの疑惑を思い出す。桜は九州から北海道まで順に咲いていく。2カ月近く続くので、ずっと問題にしよう」と訴えた。
集会には宮本徹衆議院議員(共産党)、高良鉄美参議院議員(沖縄の風)ら国会議員4人が駆け付けた。宮本議員は4月15日の東京新聞の特報面で「桜を見る会」に関する記事を見て調査を始めたことを私に明らかにした。
東京新聞は、宮本氏が国会で「桜を見る会」の参加者が急増したことを問題にした時も、きちんと記事にしている。田村智子参院議員が見事な質問をする前に、井戸を掘ったのが東京新聞と宮本議員だった。
集会では、安倍首相が12月2日の参議院本会議の答弁で、「桜」名簿のシュレッダー廃棄が遅れた理由として、担当職員は「障害者雇用」の非常勤職員であると言及したことを批判する意見が相次いだ。
元公安調査庁職員の西道弘氏は「障害者を差別する発言で、辞任すべきだ」と批判した。重度障害を持つれいわ新選組の舩後靖彦参院議員も「障害者雇用のために破棄に時間がかかった理由のように語られるのは不適切だ」とコメントしている。
「障害者」発言は国際問題にもなった。英ロイター通信は12月4日、「なぜ個人情報を漏洩して、障害者のせいにするのか」と論評した。
また、仏AFP通信は9日、「障害を持つ職員の勤務している時間帯にシュレッダーで廃棄されたという首相の説明は、障害者に責任を転嫁している」と指摘し、「過去の二回にわたるクロニズム(縁故主義、依怙贔屓)スキャンダルに続いて市民の怒りを招いている」と報道した。
安倍首相は来年1月に中東訪問を計画し、何の成果もあげてこなかった外遊を重ね、習近平中国主席の国賓招待と東京五輪で、「桜」疑獄をなかったことにしようとしている。
しかし、各種世論調査で「首相の説明に納得していない」という市民が70%を超えており、来年の通常国会まで火消しは不可能な情勢だ。悪夢のような安倍政治を一秒でも早く止めるため、人民は行動を起こそう。
◆ 暴力団関係者の参加を調査しないと居直り
公文書廃棄を障がい者の責任にする冷酷政治
浅野健一(元同志社大学大学院教授、アカデミックジャーナリスト)
安倍晋三自公野合ネオファシスト政権は11月初めに問題化した「桜を見る会」選挙買収疑獄を12月9日の臨時国会閉会で幕引きしようとしたが、政権反対党(野党という用語は誤り)の追及チームとメディアの調査報道によって、なかなか幕は下りない。
共同通信の世論調査で内閣支持率が前々回の調査から11ポイントも下落し、不支持がわずかながら上回った。
政権反対党の追及チームは国会閉会後、「桜を見る会」の前夜祭と称する夕食会が開かれたホテルニューオータニで調査し、ホテル側から「明細書は7年間保存しており、顧客側から要請があればいつでも発行できる」という見解を引き出した。
安倍首相と菅義偉官房長官は国会で「ホテル側は、営業の秘密に関わるため明細書は出せないと言っている」と何度も答弁してきたが、それが真っ赤な嘘とわかった。法人税法は見積書や明細書を7年間保存するよう企業に義務付けており、安倍首相はホテル側に明細書の提供を求め、国会に提出すべきだ。
また、安倍後援会が作成し内閣府に送った招待推薦者リストは、安倍事務所のパソコンに保存されているはずで、これを国会に出すべきだ。マスメディアに公表しろとまでは言わないが、国政調査権を持つ国会には名簿を提出すべきだ。
預託商法を展開し、破綻した「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が2015年に首相推薦枠で招待されたり、反社会的勢力が参加したりしていた問題もある。
首相の配偶者の昭恵氏の推薦枠があったことも判明している。
政権が11月末、昭恵氏は「私人」と再び閣議決定したのも意味不明だ。昭恵氏は安倍記念小学校疑獄も含め、国会で説明すべきだ。
安倍政権は12月10日の閣議で「反社会的勢力の定義は困難」とする答弁書を決定した。また、共同通信によると、菅官房長官は11日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」に出席していたとされる反社会的勢力を巡り、定義は難しいとの考えを重ねて示した。「犯罪が多様化している。定義で固めることは取り締まりも含めて、かえって複雑になる」と述べた。
政府が2007年に取りまとめた指針では反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団・個人」と位置付けていた。
「桜を見る会」に招待され、菅氏と一緒に写真を撮った人の中に、組織暴力団関係者がかなりいたのは間違いなく、「反社」の定義がどうこうの問題ではない。菅氏が「結果的に入っていた」と認めた暴力団関係者の身元を調べないと居直ることが不当なのだ。
11月20日に安倍首相を公選法・政治資金規正法違反で東京地検特別捜査部へ刑事告発した「税金私物化を許さない市民の会」は、12月9日午後5時から7時半まで、衆議院第2議員会館内で、「安倍政治にとどめを!」集会を開いた。
集会では、市民の会の田中正道共同代表が「市民一人一人が安倍首相の税金の私物化を許さないという抗議の声を挙げよう」と挨拶。
参加できなかった告発代理人の山下幸夫弁護士は「日々新しい情報が出て、ますます、これが、安倍首相の公職選挙法違反、政治資金規正法違反という法律違反であり、犯罪であるということが明らかになっている。国会論戦だけでなく、東京地検による捜査によって、その真相が明らかにされるべきである。この告発が受理されるように、地検に働きかけていきたい」とのメッセージを寄せた。
告発人(50人)を代表して講談師の神田香織氏と私が報告した。
神田氏は「福島原発事故の前から原発の危険性を講談で訴えてきた。原発事故に責任のある安倍氏が再稼働を強行してきた。福島の状況はアンダーコントロールと?をついて東京五輪を誘致した。今度は、芸能人に会えるという触れ込みで、公的な桜を見る会を選挙運動に使った」などと話した。
また、「桜」疑獄では、政府は、クリスマス、大晦日、正月になれば民衆は忘れると思っているのかもしれないが、桜が咲く時期が近づけはこの疑惑を思い出す。桜は九州から北海道まで順に咲いていく。2カ月近く続くので、ずっと問題にしよう」と訴えた。
集会には宮本徹衆議院議員(共産党)、高良鉄美参議院議員(沖縄の風)ら国会議員4人が駆け付けた。宮本議員は4月15日の東京新聞の特報面で「桜を見る会」に関する記事を見て調査を始めたことを私に明らかにした。
東京新聞は、宮本氏が国会で「桜を見る会」の参加者が急増したことを問題にした時も、きちんと記事にしている。田村智子参院議員が見事な質問をする前に、井戸を掘ったのが東京新聞と宮本議員だった。
集会では、安倍首相が12月2日の参議院本会議の答弁で、「桜」名簿のシュレッダー廃棄が遅れた理由として、担当職員は「障害者雇用」の非常勤職員であると言及したことを批判する意見が相次いだ。
元公安調査庁職員の西道弘氏は「障害者を差別する発言で、辞任すべきだ」と批判した。重度障害を持つれいわ新選組の舩後靖彦参院議員も「障害者雇用のために破棄に時間がかかった理由のように語られるのは不適切だ」とコメントしている。
「障害者」発言は国際問題にもなった。英ロイター通信は12月4日、「なぜ個人情報を漏洩して、障害者のせいにするのか」と論評した。
また、仏AFP通信は9日、「障害を持つ職員の勤務している時間帯にシュレッダーで廃棄されたという首相の説明は、障害者に責任を転嫁している」と指摘し、「過去の二回にわたるクロニズム(縁故主義、依怙贔屓)スキャンダルに続いて市民の怒りを招いている」と報道した。
安倍首相は来年1月に中東訪問を計画し、何の成果もあげてこなかった外遊を重ね、習近平中国主席の国賓招待と東京五輪で、「桜」疑獄をなかったことにしようとしている。
しかし、各種世論調査で「首相の説明に納得していない」という市民が70%を超えており、来年の通常国会まで火消しは不可能な情勢だ。悪夢のような安倍政治を一秒でも早く止めるため、人民は行動を起こそう。
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