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法隆寺&中宮寺を北に車で数分。
法隆寺の五重塔と共に斑鳩三名塔と言われる塔の美しい法輪寺へ。
のどかな田園風景の中に、美しい三重塔が見えてきます。
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推古30年(622)に、山背大兄王が父の聖徳太子の病気平癒祈願ために
建立したと言われています。
江戸時代初期に荒廃して三重塔だけを残すのみとなりましたが、
元文年間に寄進が進み、なんとか今の寺観まで取り戻せたそうですが、
昭和十九年、落雷で三重塔が焼上、創建当時の建物は全て失われてしまいました。
小さな山門を入ると、緑で覆われた中、左手に三重塔、右手に金堂、
正面に講堂がギュっとある感じの小さな境内です。
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講堂内には、飛鳥時代からの仏像がずらりと並んでいて壮観です。
薬師如来坐像 - 飛鳥時代の作。
虚空蔵菩薩立像 - 飛鳥時代末期の作。
十一面観音菩薩立像 - 像高3.5メートルを超える巨像。平安時代の作。
弥勒菩薩立像(重要文化財指定名称は「聖観音立像」)
地蔵菩薩立像
吉祥天立像
米俵乗毘沙門天立像
楊柳観音立像
聖徳太子二歳像
龍鬢褥(りゅうびんのじょく) - 推古天皇使用の敷物と伝わる。
塔心礎納置銅壺
多宝塔文磬
鴟尾(しび)残欠-飛鳥時代中期の代表的な鴟尾。
等、多くの寺宝と共に並んでいます。
やはり大きな十一面観音さんの迫力にやられます。
顎をギュッと引いた様なお姿が面白いです。
二体の飛鳥仏も美しい。
米俵に乗った毘沙門天さんも珍しいですね。
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その他、妙見堂に妙見菩薩立像(秘仏のため非公開)
三重塔内に釈迦如来坐像、四天王像(非公開)がいらっしゃるそうです。
小さなお寺ですが、講堂の見応えがあり、結構長居しました。
拝観者は、終始僕一人でありました。
さて、車に戻り東へ数分。
こちらも畑に囲まれた中に聳える三重塔が美しい法起寺へ。
駐車場も無く、本当に小さな門の前にお願いして停めさせて頂きました。
狭い道なので、畑に落ちないように気をつけながら端っこに。
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推古十四年(606)に聖徳太子が法華経を講説されたという岡本宮を寺に改めたものと伝えられ、
法隆寺、四天王寺、中宮寺などと共に、太子御建立七ヵ寺の一つにかぞえられている。
法起寺の三重塔は日本最古のもので、国宝であります。世界文化遺産であります。
法隆寺の五重塔の初層、三層、五層を模して三重塔にしたのだそうです。
ドシっと安定感のある立派な塔です。
こちらも法輪寺同様、江戸時代には三重塔を残すのみにまで衰退したそうです。
こんな田園風景の中に、ポツンポツンと三重塔だけが二つ立っているなんて、
それは美しかったろうなぁ。。なんて想いながら見上げます。
こちらの仏様は、法輪寺の十一面さんと同じ像高3.5メートルの
十一面観音菩薩立像(重文)で十世紀後半ごろの作と言われています。
現在は収蔵庫でガラス越しに拝観出来ます。
十一面観音のお手本の様な、立派なお姿。
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世界文化遺産!国宝の三重塔!重要文化財の十一面さん!
なのにこの法起寺さん、なんだか寂れてます。。嫌いじゃないけど。
境内に廃墟っぽい一角があったり、南大門のポツンと感とか、独特の空気。
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車に戻り、美しい田園風景を眺めながら一服。
法隆寺からの参詣道もあり、厄除け信仰で盛り上がっていたという松尾寺を目指します。
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地図(今回のルート)
※PC以外では正しく表示されないみたいです。
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