海住山寺から木津川に沿って南下し、奈良に戻ります。
目指すは「忍辱山(にんにくせん) 円成寺(えんじょうじ)」。
途中、般若寺に寄ったのですが、激しい頭痛に襲われて写真も一枚も無し。
すぐに車に戻り休んだらすっかり治りましたけども。
般若寺さん、しっかり見ないでごめんなさい。。。
般若寺付近で国道369号線に入り、ひたすら山道を走ります。
柳生の里へ向かう「柳生街道」と呼ばれる道で、その途中に円成寺があります。
寺に伝わる「和州忍辱山円成寺縁起」によれば、沿革は次の通り。
天平勝宝8歳(756年)、聖武・孝謙両天皇の勅願により、
鑑真の弟子にあたる僧・虚瀧(ころう)により開創される。
万寿3年(1026年)に命禅が再興して十一面観音を祀ったという。
平安時代末期の保元元年(1156年)、
京都仁和寺の寛遍が東密忍辱山流を開き、寺運は興隆した。
この頃に本尊が当初の十一面観音から阿弥陀如来に代わったと思われる。
室町時代、応仁の乱(1466年-1476年)の兵火により
堂塔伽藍の大半が焼失したが、栄弘が入り再興された。
江戸時代は寺中に子院23か寺を有するほどであったが、
明治の廃仏毀釈による混乱により衰え、現在に至る。
街道沿いの無料駐車場に車を停めて、ひっそりと立つ標石の脇の
緑に覆われた狭い石段を、途中にあるお茶屋さんに注意を奪われつつ降りると、
そこには美しい浄土式庭園が広がります。この演出は素敵です。
池越しに立派な楼門が見えます。
池を回り込み楼門横の階段を登ると受付があり、いよいよ境内に入ります。
池越しに見た楼門の向こう側にある境内には本堂、護摩堂、多宝塔など。
門の内側から見下ろす庭園の眺めも美しいです。
入母屋造の妻入りという、寺院建築では珍しい造りの本堂だそうで(本人、よく解っておりませんが)
僕はこの本堂の屋根の緩やかな勾配と、両脇で反り上がる感じがとても品良く感じました。
本堂に入り、御本尊の阿弥陀如来さまにごあいさつ。
おとぼけたお顔が和みます。
半丈六坐像。坐高145.4センチ、唐草透彫の光背も美しいです。
本堂内には他にも四天王や太子二歳像など魅力的な仏様方がいらっしゃいます。
そして、本堂で目を惹くのは内陣の柱に極彩色で描かれた「聖衆来迎二十五菩薩」。
これは本当に美しかった!
本堂内は阿弥陀様を囲むようにぐるっと回れるコースになっていいるのですが、
何周したかわかりません。
仏様見てぐるぐる、柱だけ見てぐるぐる。
本堂内で御朱印を頂き、一目惚れした散華を買って本堂を出ます。
本堂の手前にある多宝塔へ。
この塔はとても新しく、大日如来像を拝む為にガラスが貼ってあったりで、
若干違和感があります。
こちらの大日如来像は、作者には全くといって良いほど興味を示さない僕でも
「ほぉ」と言っておこうと思う運慶さん25歳頃の最初期作だそうですよ。
ガラスの向こうにいらっしゃいますが、
晴れた日は特に、ガラスに周りの景色が乱反射して全く見えないという事にも。
で、足元に置かれた紙製の奇妙な物体。川で水中を覗く箱みたいなの。
これを「ガラスにつけて覗いてください」という事で、
覗いてみましたら、ばっちり見えましたよ。
中腰でガラスに箱くっつけて覗いてるおっさんの姿は、
あまり見られたくなかったですけど。。。誰も居なかったので良かった。
若者が作ったのもあるのか、若々しく凛とした大日様でした。
本堂右手には春日堂と白山堂という小さなお社が並んでいます。
現存最古の春日造の社殿で、春日大社の旧社殿を拝領したもの。
最小の国宝建造物なんだそうです。
庭園に戻り、ぐるっと歩いてからお茶屋さんに入る勇気は出ずに車に戻りました。
ここはバスも少なく、ちょっと便が悪いですね。
だからこそ保てる雰囲気ではあるのでしょう。
とても素敵なお寺でした。
出発!
地図(今回のルート)
※PC以外では正しく表示されないみたいです。
追加
動画をちょこっと撮ってたので。
極彩色の柱も、色鮮やかな散華もステキ。
境内の造りもいいわア。
今度ぜひ行ってみたいな~
いおりさん、絶対好きですよ!
庭園もお堂もお社も仏像も柱も本当に素敵なお寺でした。
鎌倉時代の南無仏太子(2歳像)さんもいらっしゃいますよ!
帰りに、お庭の見えるお茶屋さんでのんびりするお姿が目に浮かびます。
ちょっと不便な場所ですが、是非!