奈良旅記 7 (浄瑠璃寺へ) 薬師さま~!

2012-06-05 | 奈良旅記



さて、浄瑠璃寺奥之院でクタクタになった体も落ち着いてきたので、
参道を歩き浄瑠璃寺へ向かいます。
相変わらず素敵な道です。歩いているのは僕ひとり。




小さな山門をくぐり、帰って来ましたよ美しい浄瑠璃世界!
朝一の誰も居ない庭園は、正に澄みきった静寂と清浄の理想の世界。
何度も深呼吸。

今回の奈良の旅、一番の目的はここ浄瑠璃寺にありました。
毎月8日、好天の場合のみ開帳される東の本尊、秘仏・薬師如来さま。

三重塔内にいらっしゃる薬師さまは、現在の本尊九体阿弥陀仏より60年前に造顕され、
浄瑠璃寺はじめのご本尊さまなのです。

昔、本で見た赤い衣の美しい薬師さま。
それがここ浄瑠璃寺の薬師さまと知り、調べると、「毎月8日(ただし好天に限る)」
というなかなか厳しいご開帳。

「8日」が何とかなったとしても、「好天」でないとお会いできないのですから、
もう運に任せるしかないのです。。。

今回も、前日から雨が降ったり止んだりの天気だったので、
心配しましたが、なんとか天気は大丈夫そう。

お庭を掃除していたお坊さんに、「今日は薬師さまは見られますか?」と
ドキドキで尋ねると、「もう開いてますよ~」と、優しい笑顔。

やった! 会える! ついに会えるんだ! あの赤い衣の薬師さまに!!

走りだしたい気持ちを抑え、前のめりに早足で三重塔への石段を上がりました。






小さく開いた扉の向こうの暗闇。
近づくにつれ黄金に輝くお姿が見えてきました。
綺麗なお花の飾られた扉の前に立ち手を合わせます。

暗いけど、見えます、ちゃんと見えます、お姿が!
感激。。。

浄瑠璃寺で流す二度目の涙が頬を伝う。








何分立っていたか分かりません。
誰も待っている人も居ませんしね。

まず薬師さまに苦悩の救済を願い、
その前でふり返って、池越しに彼岸の阿弥陀さまに来迎を願う。
浄瑠璃寺本来の礼拝を終え、木々の中をぐるっと本堂へ。




この日は吉祥天さまのご開帳期間でもありました。
涼しい本堂内も誰も居ません。
ゆっくりと皆さんにご挨拶。
薄暗い中、障子越しの自然光に光る九体仏さまたちは相変わらず美しい。。。
吉祥天さまも言わずもがなの美しさ。。。






本当になんて「優しい」お寺なんだろう。
これは文章や言葉では絶対に伝わらない。

暫くすると外が少し騒がしくなってきました。
本堂から出てみると、制服姿の中学生たちが。
「うわっ」と思いましたが、この中学生たちがいつもの「ザ・修学旅行生」と違い、
とてもお行儀が良く可愛らしい。
お寺の「優しさ」で、僕の心も優しくなっていたのかもしれません。

「こんにちは」と挨拶をしてくれる中学生たちは本堂内へ。
静かなお庭に、お寺と仏様の説明をするお坊さんの優しい声が漏れてきます。
本堂の脇にあるベンチに座り(有り難い事に喫煙コーナーでもある)、
僕もお話を聞かせてもらいました。

山門を出てすぐの所にあります茅葺屋根の素敵な「あ志び乃店」さんで
わらび餅をいただいてから、駐車場に戻り、次のお寺へ!

至高の数時間でありました。

次は「秘仏・大日如来さま」に会いに行かねば!
1月8日9日10日の3日間のみご開帳。。。き、きびしい。。。


地図

前回の浄瑠璃寺記




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2 コメント

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Unknown (いおり)
2012-06-14 22:57:10
だいぶ経ってしまいましたが。。。

最大のイベントは、塔のなかの薬師様の御開帳だったのね~
好天で無事お会い出来てよかったよかった^_^

わたしはなんだか彼岸の世界の方にどうも落ち着きを
覚えてしまいます。戻っていく感じというか。。
またあのお堂のなかに座りたいなア。

秋篠寺のほかに、度々帰りたいお寺ができました。
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Unknown (ハヤシダイスケ)
2012-06-16 13:41:26
>いおりさん
よかったですよ~
天気が本当に心配でドキドキでした。。

あの本堂の空気は、他ではあまり感じられないですね。
本当に居心地が良くて、
浄瑠璃寺の歴史の中に自分が居る!という感じがします。

秋篠寺もお堂の中の雰囲気が良いですねぇ。
毎年6月6日の『大元帥明王公開』 の日にも
行ってみたいです。
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