『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
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  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第122回音楽家講座~甲野善紀先生を迎えてin鶴見 10月18日(火)

2022-10-20 21:59:24 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
曇天の一日でしたが、活気あふれる回となりました。

(お話)
特に、ここ最近4年程、自分の中の感覚を技に反映する影観法に取り組んできた。
これは、野口整体の野口裕之先生からの影響。
内観的感覚の世界。

1975年に逝去されたお父様の野口晴哉先生は、音楽家関係者の間でも有名で、海外の巨匠が来日公演を打診された時に、彼に観てもらえるなら、という条件を提示したということもあったそう。

この大(きな存在である)父から(裕之先生は)教え方のみ継承されたが、技術的なことは一から自分で立ち上げられた。

内観・・・イメージとは違って直接的。

相手の身体を自分の身体の中に入れて写す。
(心理的なことも含めて)

打撲した人を観ると三角形が出来る。

火傷は仙椎に三角形が出来る。

家が家事になった人は、本人に火傷がなくても、仙骨に三角形が出来る。

このように心理的なことを含めて、身体にサインが出る。

このような内観を技に使ってきたが、敢えてそうした感覚を止めて上腕を如何に上手く使うかということをこのところやってきた。

それが、野口先生と数時間話した折、内観で上腕を長くしたり短くしたりすれば良いじゃないですか、とご助言を受けやってみると前より上達していた。

偶然久しぶりに会った、元世界チャンピオンのボクサーK氏に試したところ、全く反応できなかった。

内観・・・「これはいける?」と身体に聞いてみるところが、普通のイメージとは異なる。

人間の肉体の動きと直結しているのを間隔だけで動かす世界がある。

しかし、今は感覚ばかりになるとまずいと思い、敢えて具体的な技の世界を綿密にみている。

(木刀で)
鹿島神流下段抜き。


刀は手に対して殆ど動かない。
手だけ、勝手には動かない。
身体がいくことで動く。この前提は踏ん張らず、浮きをかけている状態。
膝を抜いて落ちている間に90度、そして180度向きを変える。
飛び上がるのではなく、落としている間に両足をパンと合わせて打ち鳴らす。

重力から解放された時に何かやること。

左右の足が同時に変わるから向きが変わる。

これが心理的にも、パっとその間何も考えない状態となる。

蹴って動いたり、支点を作った動きは心理的にも×。

内側の円を意識した斬り。
(相手を斬りつけるのではなく)

これをすると正面は良いが、袈裟斬りが何とも不自然で、もっと右に居たいと感じられる。

人間の意欲は0からプラスになる、例えば「勝つ」など、よりも、
マイナスから0の方がはるかに強い。

怪我が治る、断水が解消されるなど、当たり前が失われた時に、普通に戻りたい、と思う。(マイナスから0)
この有難さは強いもので、せずにはいられない。

違和感が生じることこそが大切で、これが向上のためになる。

今、内側の曲線での袈裟斬りに、凄い違和感が感じられるようになったことが有難い。

物事が上達するかどうかは「ここが違うなあ」という無意識の思いを持てるかどうか。

動作自体がなんとかしてくれと、訴えてくる。
今の違和感は、未だかつて体験したことがない技に展開していくだろう。

(こより作成に関しての余談)
昔の本の原稿はこよりで綴じていた。
作家は良い人か酷い人しかいない・・という(編集者の裏話)
酷い作家というのは自分をめちゃくちゃにしておくことで、そういう発想が浮かぶのだろう。(・・何人もの編集者が潰されるという話も・・)

蹴り技も太腿を瞬間的に短くする。
(先生の蹴り技、初披露)

ボールの縫い目を辿る様な、時計回りと反時計回りの話。
表から裏に抜けるようになる。

ヘンなスランプを抜けるのにも良い。
上達も同様。

自分の中で、何かが裏返ったような状態。
上達していない状態からそこになる。

(こより作り実践)
写真参照

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(個別指導)

1.ピアノ
もう少し楽に弾きたい。

指紐で大きく変化。自分の感覚で巻く。





2。ヴァイオリン
始めてから11カ月経つが、難しい。


右腕の腕が頭の後ろから左を抜けるように動かして弓を持つ。



右肘をぐっと内側に入れてから弓を持つ。

四方襷。

指紐。




この4通りいずれでも、毎回響きが大きく変化。


3.声優
身体の力が抜けない。緊張してしまう。声量や音圧が足りないのをなんとかしたい。

胸紐と四方襷。
声量アップ。
何かしようとしたとき、協調してやりやすいようにしてくれる。

四方襷は右からなら効果があるが、左からだと全く効果なし。
僅かな違いが大きく違ってくる。

感覚の中でたすき掛けができるようになると良い。

4.ギター
(楽器はなしで)
Fのコードが関門でこれで挫折する人が多いので、なんとかこれを克服できる方法があれば知りたい。

内観的世界が、ある程度できるようにする。
その上で・・
弦を全部押さえているという状態を自分の中で持てるようにする。

ひとりでに弦の方から呼ばれて吸い付いてくるような感じ。

自分がやっている感をなくす。

とのご助言に受講者の方は

「あ、そういえば、僕は鳴っていないけれど、鳴っていることにしようと思ってやっているうちに弾けるようになりました!」とのこと。


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(所感)
音楽家講座初の「みんなで紙縒りを作る」というのが楽しかったです。

子供の頃、七夕の短冊を飾るために作って以来の紙縒り。

驚いたのは、先生の指の運び方。そして完成した紙縒りの硬さ。

シュっとして多少振っても真っすぐのまま。
指揮も出来そうだし、リンゴも刺せそう・・

それに比べて、私はもちろん、参加者みなさまの紙縒りはみなふにゃふにゃ。

テンションをかけながら同じ幅で、それも重なる部分が多めで巻かれていく紙縒りの美しさ・・

講座の翌日、この先生の紙縒りのお陰でフルートの奏法がさらに大きくモデルチェンジしたのでした。(これはまた後日)

また内側の曲線の中での動きは素人目にも顕著にその変化が感じられ、下段抜きの腕だけでなく全身での木刀の運びも、、動きをゆっくりとしてくださり、わかりやすかった。
フルートのみならず、全ての楽器の構え方に大きな参考となったのではと思います。

Fnコードへのご助言はユニークでメウロコ。
フルートとキィの関係性にも通じていて、これも役に立ちそうです。

参加された皆様、会場スタッフの皆様、スタッフの鈴木さん、
そして甲野先生、

今回も素晴らしい時間をありがとうございました!

次回は11月24日(木)です。
どうぞよろしくお願いいたします!




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