ジョン・ウー監督のレッドクリフを観てきました
父が大の三国志ファンで、家にも小説や横山光輝三国志全60巻があったので
私も小さい頃からよく読んでいました(殆ど漫画版ですが)
映画化されるという話を聞いてずっと楽しみに公開を待っていた作品。
金城武が孔明ってどうなのと思いつつ映画館で観てきました。
因みに今回はいつもの六本木ヒルズに行ったのですが
初めて1階一番奥のアートスクリーンで観ました。
スクリーンは小さいですが、前の座席との間隔が広く、
十分足を伸ばせる広さで快適でした
さて、映画の感想を。
予想はしてましたが、やっぱり私が慣れ親しんだ横山光輝版とは全く別の話でした。
まずは主人公が呉の水軍大都督、美丈夫・周瑜(トニー・レオン)である点。
横山光輝版では自分が主導権を握っているつもりで
実は孔明の思い通りに操られて、力量の違いを痛感すると共に脅威を感じ、
10万本の矢や東南の風など無理難題を言いつけて殺そうとしますが、
映画版ではトニー・レオンの方が頭が切れる感じで
孔明があんまり目立っていませんでした。
それどころかお互いに認め合って友情が生まれていましたが、
Part IIではどういう形で二人の友情が壊れるのか気になります。
ジョン・ウー作品らしく華麗なアクションシーンもありましたが、
あの自分の肩に突き刺さった矢を引き抜いて
敵に駆け寄って飛び掛り、振り向きざまに首を一刺しするシーンは圧巻でした。
続いて乱世の奸勇・曹操(チャン・フォンイー)。
野心というよりは欲望の塊のような感じで、
赤壁の戦いの目的も曹操が周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)を略奪するためでした。
まあ映画的には分かりやすい設定でよかったとは思います。
公式サイト(コチラからどうぞ。但し音が出るので注意)によると、
監督は「史実に沿って忠実に再現することではなく、
その時代に生きた人物をリアルに表現すること」にこだわったようで、
赤壁の戦いをベースにしたオリジナル映画として観ると、とても見応えたっぷりでした。
金城武の孔明も、実際に見てみたらなかなか好感が持てました。
というか超かっこよかったです(笑)
基本は冷静ですが、たまにお茶目な表情を見せたりして、
横山光輝版の孔明よりも身近に感じられるキャラクターになっていました。
特別出演となっているもう一人の日本人キャスト中村獅童(甘興役)が
なぜわざわざ出ているのかものすごく疑問でしたが、映画を観たら解消されました。
この動きを見せたかったのか、と。
(部下をステップ代わりに使って敵に飛び掛るシーン)
中国語も様になっていて違和感なく観ることができました。
レッドクリフでは、ハリウッド映画との違いもいろいろ発見できました。
上記のアクションシーンのほかに、
ラブシーンも西洋人がやると本当に「映画のワンシーン」という感じで
すんなり受け入れられますが、アジア人同士のラブシーンは
ちょっと生々しかったです(あくまでも個人的な感想ですが)
また、最近ではエンドクレジットの後にちょっとしたワンシーンや
続編の予告を入れることは珍しくなく、
一般的なハリウッド映画だと特に続きがあるというヒントなしにエンドクレジットに入りますが、
中国人には馴染みがないのか、「この後に続編の予告があるのでまだ帰らないで」
という趣旨のアナウンスが表示されていました。
おかげで今回の作品を観た人は9割方エンドクレジットが終わるまで待機してました。
そのほか、個人的にツボだったのは、
関羽が台湾のお寺で見た関羽像そっくりだったことです。
中国人が抱く関羽のイメージってやっぱりこうなのか~と。
それにしてもそっくりすぎなのが笑えましたが
三国志ファンにとっても、三国志を知らない人にとっても楽しめる
素晴らしい作品に仕上がったこのレッドクリフ。
2009年4月のPart IIの公開がとても楽しみです
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