先日もチラシをご紹介した、6月20日公開の映画剱岳 点の記。
現在、監督が47都道府県を映画の宣伝をして回るという
木村大作戦が展開中であり、公式サイトで各会場5組10名を
試写会にご招待!というキャンペーンが行われていて、
まあ多分外れるだろうなと思いつつ神奈川県の分(3/27)を申し込んでいました。
試写会の2日前になっても当選葉書が届かないので
これはダメだと思って試写会の日に美容院の予約を入れたのですが、
なんと試写会前日に速達で当選葉書が届いたので、
慌てて美容院の予約をキャンセルして、昨日試写会に行ってきました
会場は川崎のチネチッタ。
RENTを見たときの会場で、設備がよくてキレイでお気に入りです
(といいつつRENT以外では足を運んでいませんが・・・)
普通、映画の試写会というと大きなホールにたくさんのお客を集めて
上映することが多いですが、今回の全国行脚は全てシネコンのスクリーン。
ということで川崎はかなり小さめのスクリーンで、
一番前の方の席とかは空席ができていました。
・・・私の元に届いた当選葉書は速達だったし、
実は私の運が良くて当選したのではなく、
もしかして応募者数が想定より少なくて、急遽追加当選したのかも??
やや複雑な思いを抱きつつ試写会に臨みました
会場へは上映時間ギリギリに着いたのですが、
入口の前にずらりとスタッフの方が並んでいて、
正面には木村大作監督がいたのでちょっと緊張しながら会場に入ります。
まずは監督からのご挨拶。
マイクなしで、この映画に対する熱い思いを観客に語りかけます。
この映画は監督が本物にこだわって作った作品で、
200日間にわたって実際に剱岳やその周辺の山々に登って撮影をしています。
空撮もCGも一切なしで、妥協なくリアリティーを追求した作品。
昔ながらの手法での撮影ですが、
今の時代では逆にこれが「新しいこと」だと仰っていました。
監督のご挨拶が終わってからいよいよ待ちに待った上映開始です
2007年9月に立山・剱に登って映画の話を知り、
さらに撮影隊とニアミスしていたという事実を知ってから
ずっと公開を待ちわびていた作品。
スクリーンに雄大な剱岳の姿が映し出された瞬間に映画の世界にのめりこみました。
新田次郎原作の、実話に基づく同名小説を元にした作品。
最後に「この映画を原作者に捧ぐ」とされていたとおり、
自然の視点で自然と人間の対峙を描いた新田作品を
忠実に映像化した作品だと感じました。
ストーリーは、明治時代に日本地図を完成させるため、
唯一の空白地点だった剱岳に三角点を設置するべく
軍の測量官の柴崎芳太郎ら測量チームの奮闘する姿を描いたもの。
<↓以下ネタバレ注意↓>
(ネタバレ不要な方は下記赤字までジャンプ!)
すごくシンプルですが、とても深い世界です。
原作を読んだときの読書報告にも書きましたが、
「いま、失われている日本人のこころ」=「献身的な努力」
を描いた作品。命をかけて臨んだ仕事で、最高の結果を出したにもかかわらず、
最終的には評価されずに「なかったこと」として葬られてしまった仕事。
しかし、大切なのは「何をするか、ではなく何のためにするか」ということ。
測量チームの家族と、剱岳初登頂の記録をかけて競い合った
山岳会のメンバーと、そして何よりも自分自身の中に大きな結果として刻まれた仕事。
私の仕事(翻訳)でも、すごく大きな案件で、一生懸命大量の翻訳をこなしたのに、
結果的にその案件が消滅してしまって無駄な努力となり、
悔しい思いをしたことが何度かあります。
が、それは決して無駄な努力ではなく、自分の翻訳力は確実に向上するし、
同じ案件に携わったチーム内ではちゃんと結果として認められているわけです。
そういうひたむきな努力を惜しんではいけない、
ということを改めて感じさせられるストーリーです。
音楽も、ビバルディの四季が美しい映像にピッタリ合っていました。
映画の最後は、普通のエンドクレジットではなく、
「仲間たち」として、役割に関係なく、携わった人々の名前が順番に登場していました。
崖の上のポニョも、映画報告に記載したとおり、
「このえいがをつくったひと」と名前を書いただけのクレジットになっていましたが、
これはあくまでも子供向けの作品だから、
子供がわかるような記載方法にしただけだと私はおもいました。
でもこの映画の撮影は、下記でも述べるとおり、
監督が「行である」と表現するほど過酷な撮影であり、
それぞれが自分の任務を全うして皆で一つの目標を達成したという点で、
このクレジットの「仲間たち」というのはピッタリであり、
素晴らしいアイディアだなと思いました
「何をするか、ではなく何のためにするか」
これは登山にも当てはまりますね。
2007年に、目標として立てた「立山・剱の縦走」は達成しましたが、
では何のためにしたかというと、自分の足で登り、その高みに辿り着いた者
だけに許される素晴らしい景色を堪能したかったから。
しかし、実際には天気に恵まれず殆どガスの中の登山だったので、
また剱岳に登らなきゃな、と決意を新たにしました
<以上ネタバレ終了。>
監督は、この映画の撮影を「行である」と表現しています。
徹底的にリアリティーを追求して、標高3,000mの本物の自然の中で
妥協を許さずに一本の映画を作り上げる。
登ること自体が難しい山に、登山とは無縁の世界にいたスタッフが登り、
さらにそこで映画の撮影という「仕事」をするのは並大抵のことではありません。
勿論山岳ガイドが同行して、危険なシーンでは役者の代わりに出ていたようですが、
役者の顔が分かるようなアップのシーンでは、役者が体当たりで演技をしています。
その辺りは情熱大陸でも紹介されていたし、
公式サイトのメイキング映像でも紹介されています。
その甲斐があって、本来なら自分の足で登った者にしか目にすることのできない
素晴らしい世界が、この映画を観ると一緒に体験できるのです
登ったことのある人にとっては、
自分の心の中に残る風景と照らし合わせてあの日の感動が甦り、
登ったことのない人にとっては、
未知の世界に胸が震える思いを与えてくれるという、
リアリティーを追求したからこその素晴らしい作品に仕上がっています。
今回の全国行脚試写会について、監督は、
たくさんの人に見ていただいて、この作品を宣伝してもらいたい、
という思い出展開していると仰っています。
媒体による宣伝ではなく、人の宣伝の力こそが大きな力を持っている、と。
ということで、試写会に参加した人には宣伝資料が配布され、
ポストイットに感想を書くことと、映画の公開に向けて
この作品を宣伝することが使命として課されました。(勿論強制ではないですが)
まずいただいたのはこちらのチラシ。
先日登山用品店で入手したものと同じです。
今回はちゃんとデジカメで撮影したので細部までご紹介します。
このとおり、見開きで剱岳の雄大な姿を載せたチラシになっています。
この状態で額に入れたいほど迫力のある写真ですね。
(欲を言えば文字のない写真が欲しいですが、それじゃ意味ないですからね)
中を開くと右側がこちら。
映画のコンセプトや背景に関する情報と、
映画に登場した各シーンの写真が載っています。
左側はストーリーや背景情報の紹介と、同じく映画のワンシーンの写真。
さらに、スポーツ紙に載った全国試写会キャンペーンのコピーもいただきました。
今回の神奈川(3/27)は全国で31番目の試写会でした。
で、ポストイットとプラスチックタイプの鉛筆(これはもらって帰れました)
も一緒に渡され、是非見終わった後に感想を書いてください、とのこと。
私もアツイメッセージを記載しましたが、
同行した母が、かっこいいこと書いたよと自画自賛した感想はこちら。
「人間模様と自然模様が織り成す壮大な映像に感謝です」
一晩たって、若干言葉は変わっているようですが
(自分が書いたことなのにすっかり忘れていた母です・苦笑)
この映画の特徴を端的に表現していてなかなかやるな、と思いました(笑)
そして、映画公開に向けての宣伝。
これは、このブログ記事で使命を果たせているのではないかと思います。
改めて宣伝させていただくと、この映画は特に以下の方にオススメします。
(1) 登山愛好家の皆様。
剱岳に登ったことのある人も、これから登ろうと思っている人も、
これだけリアリティーを追求した山岳映画(山を舞台にした映画、という意味で)
は、多分この先出会えることはないと思います。
この迫力の映像美は、登山愛好家にとって必ず満足できます
(登頂シーンがカットされているのが残念ですが、
逆にあそこで撮影できるか、と考えたら却ってリアリティーを感じられるかと・・・)
(2) 各キャストのファンの皆様。
多分、皆様が普段見たことのない俳優の姿が見れるはずです。
皆さん体当たりの演技をしていて、本物の山で撮影しているので、
登山の振り(演技)ではなく、本当に登山をしている姿が描かれています。
ファンでなくても、あの力強さには惚れ惚れしてしまうほどです
勿論、山のシーン以外でも、宮崎あおいの愛らしい妻ぶりなど、色々と見所は満載です。
(3) 身の回りに登山をやっている人がいる皆様。
この映画を観れば、アノ人が何故山に登るかが分かるはず。
スクリーン一杯に描かれている素晴らしい自然の美しさと厳しさ。
これに惹きつけられて皆山に登るのです。
具体的には、宇治長次郎とその息子の台詞が答えをくれるはず。
(4) 普段登山とは縁も所縁もなく、なんの興味ももっていない皆様。
徹底的にリアリティを追求したことによって生まれた度迫力の映像美。
ストーリーにも、俳優にも、山そのものにも興味がなくても、
この映像美だけで十分見る価値があります。
日本が世界に誇ることのできる、四季折々の自然の美しさを堪能できます。
・・・ということで、あらゆる人にオススメの映画です
正直なところ、なんの予備知識もない人が
映画館やテレビで映画の予告映像を観て、
「この映画を観に行こう!」という気になるかと思うと、
正直微妙です でもこれは扱っている題材の所以。
十人十色、それぞれの感性に訴えかける部分がある映画だと思うので、
どんな方でも観たら満足できる作品だと思います。
ということで、私のブログやその他の試写会に参加した宣伝員の方たちの
宣伝によって、たくさんの人にこの素晴らしい映画を観てもらいたいと思います
私個人の今後の予定としては、
本当にラッキーで当選したのか応募人数が足りなくて当選したのかを確かめるべく
まずは東京会場の試写会にも応募してみたいと思います
(もし当選したら監督にサインと記念撮影をお願いしたいです)
その後、映画が公開されたらもう一度大きなスクリーンで作品を堪能し、
(個人的に、3回は大画面で観る価値があると思います)
DVDが発売されたら特典映像を目当てに購入したいと思います
なんとも羨ましい。
私が住んでいる山梨は4月1日(水)だそうです。平日なので残念ながら無理です。
6月20の上映が待ち遠しいです。
でも断然その価値ありました!!
どんな測量をしたかにとらわれ、何のために測量をするのか分からなくなったことはありませんか?
この映画はその答えをくれる映画です。
と思い封切り直後見てきました。ジモティとしては
ウン?と、思わないでもないシーンも在りましたが
好くできていましたし感動もありました
しかし山景を俯瞰するシーンでは現在の施設や登山道が写り込まないようにする為かなり
窮屈なアングルが多々見受けられ、製作者の
方の苦労が偲ばれます、ここは素直にCGでの
処理もあったのでは?、しかしご山岳映画と
しては出色の出来ではないかと思います
私も後日(今度はちゃんとお金を払って)見に行く予定です。
突き詰めて考えると結構無理のあるシーンもありましたが(最初に見たときは気付きませんでしたが、某大規模山小屋等バッチリ映ってるそうですね)あそこまで登山の世界をしっかり映し出している映画は今までなかったと思うので、やっぱり登山家としては見応えのある映画だったと思います!
いっしーおすすめの通り、とってもいい映画でした!やっぱりあの映画は映画館でみないと、あの迫力は味わえないね。
そして、宮崎あおいがあんなにかわいいなんて~。そして、俳優陣もみなさん、かっこよくて惚れ惚れしました♪
宮崎あおいかわいいですよね~篤姫よりもハマり役だと思います(って篤姫は一回も見てませんが)