☆カツハウス☆

すべり知らず?
カツハウスです。

硫黄島からの手紙

2006-12-15 02:11:16 | ☆カツ日記☆
クリント・イーストウッド監督、「硫黄島からの手紙」を観てきました。

今回は太平洋戦争時、最大の激戦となった硫黄島の戦いを日本側の視点から描いた作品で前の「父親たちの星条旗」よりも期待は大きかったです。

お昼に行ったのですが、例によって館内は僕以外全て年配の方で埋め尽くされており、一種独特の雰囲気が漂っていました。

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映画は太平洋戦争末期から始まる。

人も物資も兵器も何もかも足らない、おまけに本土の味方からも見捨てられた硫黄島を落ちると分かっていながら1日でも長く死守しようとする日本兵。

対して圧倒的物量作戦で一気に片をつけようとするアメリカ軍。

まぁ最終的には日本兵の玉砕で終わるわけだが、興味深いのは一番上に立つ指揮官が「最後まで生き延びて敵と戦え」と命令するのに対してその下の上官が「自分の持ち場を逃げ出すくらいなら自害せよ」と逆の命令を下すところ。

これが事実だったかどうかは定かではないが内部で統制がまったくとれていない。

当然、生き延びようとする者、自害する者、投降しようとする者、いろいろと出てくるわけだがこういった極限状態に置かれた時、自分ならどういう選択をするだろうとふと考えてみる。

とても自害する勇気はありそうにない。

やはり敵に突っ込んでいって骸になるのだろうか。

いやこればっかりは実際その状態に置かれてみないと分からない。

しかしよくよく考えてみると、この映画は60年前を再現しているわけだが、今現在も世界のあちこちでこういった殺し合いが続いているわけで。

人類はこれだけの知能を持っているのになぜ殺し合うのか?

いや知能があるからこそ殺し合うのか?

そもそもなぜ人は人を殺そうとするのだろうか?

「戦争だから仕方ない」、そんな単純な理屈で割り切りたくはない。

この映画の中で、ある上官が負傷したアメリカ兵を助け、手当てをする場面が出てくる。

かと思えば、白旗を振って投降してきた日本兵をアメリカ兵が容赦なく撃ち殺す場面も出てくる。

決して、アメリカ贔屓の映画ではないと思った。

国と国の戦いとはいえ、結局は「個」に行き着く。

60億の人すべてがこの上官のような相手を労わる気持ちを持っていれば多少の争いごとは起きても殺し合いはなくなるであろう。

無理とわかっていてもそれを望まずにはいられない。

平和とは結局、「個」の集合体のうえに作られるものだから。

この映画を観て改めてそれを強く思った。


最後に、、、中村獅童が思ったよりちょい役、しかもしょぼキャラだったのが少し残念ではあるが・・