最後まで見るのはしんどい。
登場人物のバカさ加減にうんざりする。
こんなインチキ電話を誰が信じよう。
アメリカ人とはここまでバカなのか。
と、思ってしまう。
しかし、これは実話なのだ。
信じがたいことだが、人は条件しだいでこれほどまでにおろかになる。
実際、この映画に限らず、過去の多くの事例がそれを裏付けている。
オウムの麻原と信者の関係もそう。
イジメの虐待や戦争時の虐殺にも同じような心理が働いている。
かつて『es』というドイツ映画があった。
一般人を対象にした実験で、被験者を二つのグループに分けて、囚人と
看守の役を演じさせる。
架空の役柄にもかかわず、被験者は次第に役にのめり込んでいく。
さも、現実であるかのように、過剰な冷酷な行動をとるようになる。
『es』は1971年に行われた「スタンフォード監獄実験」を元にした実話である。
『コンプライアンス』のモデルとなった実際の被害者。
映画に負けず劣らずかわゆい。
★★★
380kcal