時、うつろいやすく

日常のたわいもない話…
だったのが、最近は写真一色になりつつある。

カプセルベット

2015-12-11 00:15:08 | 仕事

ちいさな社宅を設計している。

そこにフィリピンの若い女性を九人住ませるという。

別にやましい意図があるわけではない。

彼女たちは日本で農業に従事する健全な出稼ぎ労働者である。

当日、農家のオーナー家族三人と建設会社社員二人と私とで間取りの打ち合わせを行う。

早々に先日見たテレビの『ビフォーアフター』の話になる。

そこに登場する匠の箱型二段ベットが好評だったという話になる。

オーナー家族と建設会社社員はその番組を見ていた。

私は見ていない。

見る気もない。

オーナーからそのお気に入りの二段ベットの写真をiPadで見せられる。

なるほど、こざかしい。

しかし、見た者(オーナー家族と建設会社社員)の評価は極めて高い。

絶賛である。

みな口々に、「これいいよね、これいいよね」という。

みな口々に、「これカプセルホテルみたいだよね」という。

そして、「ここで生活もできるよね」といいだした。

こんな狭いところで、子供じゃあるまいし。

そこで、私は思わず「アウシュビッツみたいですね」といいそうになる。

グッとこらえる。

こらえてよかったと思う。

しかし、この狭い箱の中で、異国の成人女性が9人横になっていたらそりゃ異様だよ。

怖いよ。

哀れだよ。

でも、そこは異議は唱えず、パクることに賛同する。

ただし、

「法令に抵触するかもしれないので、家具として作ってください。図面には描きません」

といって、カプセルベットの件には関わらないことにした。

コメント
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