郵便局にレターパックを届けにいく。
ついでに切手をたくさん買う。
50円、100円、120円、140円、205円切手を10枚ずつ買う。
使い道の多い10円切手は20枚買う
家に帰って、30分ほど経ってのこと。
郵便局から電話がかかる。
さっき切手を売ったおばちゃんの声だった。
「誠に申し訳ありませんが10円切手を10枚しか渡してませんでした。
不足分の切手を郵送で送ってもよろしいでしょうか」
という、お詫びの電話だった。
まったく構いません、といって電話を切る。
それは問題なかったのだが、ほかの疑問が湧き上がる。
なぜ、おばちゃんは私の電話番号を知っているのだろう。
私の名前を知らないのに、どうやって電話番号を調べたのだろう。
不足分の切手を郵送で送るということは当然住所も知っていることになる。
私はあそこの郵便局では切手しか買ったことがない。
郵貯はオカンしかやらないし、郵貯はあそこの郵便局を利用していない。
もちろん私はおばちゃんと身元を話すほどの仲ではない。
では、いったいなぜ、おばちゃんは私を知っているのだろう。
もしや、これは個人情報漏えい。
あの郵便局が。
いや、侮るなかれ郵便局。
表の顔は、古くから地域に溶け込む親しみ深い郵便屋さん。
されどその実態は、年間売上高17.5兆円、総資産額292兆円を誇る企業なのだ。
資産額においてはあのトヨタも太刀打ちできない。
文字通り世界トップクラスの超巨大企業なのだ。
その情報網たるや!
!
いや、まて。
謎は解けた。
あのとき、私はおばちゃんにレターパックを手渡したのだった。
そこには私の所在が…