Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ロリン・マゼール@ロイヤルフェスティバルホール

2009-04-03 01:30:00 | コンサート

2009年4月2日。ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール。

Faure: Pelleas et Melisande, Suite for orchestra, Op.80

Maazel: Farewells: Symphonic Movement, Op.14

Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43

Lorin Maazel: Conductor

Philharmonia Orchestra

今日もまた、最前列中央にて。昔、物理の先生が、「学習効率は距離の二乗に反比例する」と言っていたので。

おなじみのフォーレは、美しいメロディにうっとり。管楽器が上手いと、曲にきっちりとした形が与えられるような気がする。最前列の良くないところは、弦の粒が微妙に揃わないところも聴こえてしまうことか?

マゼールの曲は初めて聴いた。グリッサンドが多く使われ、平均律の音にないような音がして、絶対音感のない私にはメロディのようなものが聴き取れない。「核兵器やオゾン層破壊、ぞっとするようなものを生み出す機械に対する恐れを注いだ」というだけあって、所々不快に感じる音やハーモニーもある。所謂「現代曲」という感じ。

現代曲の作曲家に尋ねたいのは、別に標題音楽を創れというのではないが、なぜ美しい響きやメロディではなく、「興味深い」響きやメロディ(?)に関心を持つのか、ということである。ロマン派音楽はもう古い、のか?でも、昔の作曲家が知らない、美しい碧い地球の姿や、宇宙の写真、エベレストから数千メートルの海底までの映像といった新しい体験もしているのである。普通に美しい音楽を書く作曲家が居ても良いではないか?あるいは、今の作曲家は、平均律に無いような、ヴァイオリン調律時に時々出てしまう吐き気がするような音の重なりが美しく聞こえているのか?

最後はシベリウス。マゼールはスコアなしで振った。隣のおじいさん(かなり地位のある人らしかった)が親切に教えてくれた。シベリウスの交響曲第2番、何年振りに聴いただろう?それにしても、いつ聴いても、第4楽章のメロディの何と美しいことか。思わずマゼールはこんな風に人生を終えたいのだろうか、なんて思ってしまう。79歳とは思えない矍鑠とした指揮であった。