Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

カヴァコス & Camerata Salzburg@クイーンエリザベスホール、ロンドン

2009-11-29 00:00:00 | コンサート

レオニダス・カヴァコスの指揮、ヴァイオリン、Camerata SalzburgでルトスワフスキーのMusique fnebre、バッハのVn協奏曲D minor、モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」を聴いた。

現代曲には余り好意的でない(?)私であるが、ルトスワフスキーのこの曲は大変に美しく、とても気に入った。不協和音ではあるが、決して耳障りな音ではなく、またバルトークの没後10年を記念して作曲された「哀悼の音楽」だけあって、緩やかなメロディ(もしかしたら民族音楽の影響もあるのかもしれない)であったことも聴きやすかったことの理由か。さらに、演奏、特にチェロのトップの音が非常に美しく、最後、消え入るように終わる部分も、あれだけの弱音をへたれた音にすることなく終えたのは、天晴れ!であった。後から聞いてもらったところによるとTomaso Balestrieri(Mantua 1760)という楽器らしい。カヴァコスの指揮は-う~ん、打点が見辛そう-指揮棒はない方が良いかも?

バッハのVn協奏曲。カヴァコスの弾き振り、ということになっているが、最初の「(いちに)いち、はい」ぐらいで、後はコンマスがコントロールしていた気配も。カヴァコスは、最初からかなり走ったので、オケとばらついたり、途中、重音のところで本人が弾ききれなくなりそうだったり。左手は綺麗なのだが、右手首が、弓の根元あたりを使う際に、カマキリの鎌のように曲がるのはあまりよろしくないのでは、と思うのだが。。。?会場の拍手に応えて、アンコールはバッハのパルティータ第2番からサラバンド。Vn協奏曲より弾きこまれている感じ?これは良かった。

少し金属的な煌びやかな音でありながら繊細さもあり、ストラドでもガルネリでもないような気がする(コンマスの方と話す機会があったが、彼はin-betweenといっていた)-楽器は何を使っているのだろう?と思ったが、プログラムに記載がなかった。会場のマネージメントをしている方が親切に聞いてくださった結果、ガダニーニであることが判明。通常使っているストラド is at homeだそうだ。今日のプログラムを考えてのことなのだろうか。12月1日のチャイコ『偉大な芸術家の思い出に』はストラドのほうが合うような気もするけれど、どちらを使うのだろうか。

「リンツ」は、しょっぱなからティンパニがほんの一瞬早い。バッハのVn協奏曲でも伴奏のチェンバロで同じことがあった。ヴァイオリンに比べてティンパニもチェンバロも音の立ち上がりが早いためにそのように感じられるのだろうか。オケはなかなか情熱的な演奏で、オーボエのトップやヴァイオリンのコンマスの後ろの方など、とても生き生きと演奏されていた。ヴァイオリンの方は、カヴァコスの右手首が気になっていたせいか、最後は彼女のその美しい右手-右腕のフォームに目が釘付けになってしまった。あんな風にヴァイオリンが弾けるようになりたい!!


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