ドゥダメル指揮、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ソプラノ独唱:アナ・マリア・マルティネス。2009年5月4日、ミラノ・スカラ座にて。
Mendelssohn Symphony No.4 "Italy"
Mahler Symphony No.4
Gustavo Dudamel: Conductor
Ana Maria Martinez: Soprano
Filarmonica Della Scala
ドゥダメルがスカラ座で振る、しかもマーラーの4番、ということでミラノへ。
前半のメンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」は、とても良くまとまっていたと思う。ドゥダメルの指揮を見ているだけで、曲が聴こえてくる-たとえ音が無くても-そんな気がした。
さて、問題はマーラーの4番である。
第一楽章。ドゥダメルの意欲的なテンポ作りにオケがついていっていない、というか、ドゥダメルがオケを説得し切れていない、というか。是非、外様でではなく、自分のオケ-これからはLAフィルか-でこれをやって欲しい。もう少し時間をかけて、オケも納得して弾いたら、新しい解釈の良い演奏が出来るのではないか、と思った。
第二楽章はコンマスの熱演が良かった。
第三楽章。綺麗なメロディなのだが、それだけではない、こんなに濃密なマラ4の第三楽章聴いたのは初めて。オケで弾いたときも、CDを聴くときも、こんなに濃密な曲だと思ったことはなかった。
第四楽章-この人は本当にソプラノなの?という感じの声で残念。良く聴くCDと違う、と言うだけでなく、ちょっと声質がメゾっぽく、私のこの曲に対するイメージと違っていた。音もちょっと低いような気がしたけれど。。。?
ミラノの聴衆は結構ごそごそと音を立てる。その一方で、第一楽章が終わったところで誰かが「ブラボー」をすると、きちんとそれを注意したり(当たり前か-ただこのお陰で、変な緊張があったオケがほぐれたように思う)、第四楽章の最後、ドゥダメルがものすごい時間をかけて終えたところも、きちんと我慢してから拍手をしたり(当たり前か)、ちゃんとしているところはしている。なんだか不思議な人たち、というのが彼らに対する第一印象である。
TVカメラが入って撮影していた。いつか放映されるのだろうか。第一楽章と第四楽章はつらいけれど、第三楽章は是非もう一度聴きたい。