心待ちにしていた黒檀四重奏団(Quatuor Ebene)の演奏会が当日キャンセルとなり、かなり落胆。しかし、折角の木曜日の夜である、すかさずロイヤルフェスティバルホールに鞍替え。先日美味しい思い(?)をしたラフマニノフシリーズ。
アシュケナージ指揮、フィルハーモニアオーケストラで、ラフマニノフ『死の島』、シベリウスVn協奏曲、ラフマニノフ交響曲第3番。
ラフマニノフの『死の島』は、アルノルト・ベックリンの同名の油彩画の白黒の銅版画を見て作曲に取り掛かったと言われている。また、後に原画を見て「もしこれを見ていたらあの曲は書かなかっただろう」と言ったとか。
ベックリンの油彩画は5点作成され、4点が現存しているとのこと。私もベルリン美術館で実物を見たことがある。なかなか印象深いが、題名ほどにはおどろおどろしくない。ただ、びっくりしたのはwikiによると第一次世界大戦後のドイツではこの複製画が一般家庭の多くに飾られていたとか。なぜ?何のために?
最初と最後の曲想は、まさに油彩画そのもののように思われる。ということは中間部はこの絵の中に描かれている棺の中の人が生きてきた人生なのだろうか?私は、印象を受けた絵画と2時間はお喋りできるのが自慢(?)だが、こんな風に作曲できるラフマニノフには脱帽。
続いてワジム・レーピンのヴァイオリンでシベリウスのVn協奏曲。んー、なんだかおかしい気がするのは私だけ?きっと、私だけね。ブラボーしている人もいるし。でも、おかしい。レーピン、昔は天才少年と言われていたのに。。。
後半はラフマニノフ交響曲第3番。リズム感が非常に面白く、また、指揮のアシュケナージも会心の出来なのだろうか、曲の途中からコンマスや奏者に向かって小さなガッツポーズを連発-なぜか内田光子の表情に通じるものを見て取った気がする。
黒檀四重奏団の演奏会で、愉快な週末を迎えたかったけれど、ラフマニノフも悪くない。早くAmazonで注文したこの間のラフマニノフ交響曲第2番のCD届かないかしら。