風の生まれる場所

海藍のような言ノ葉の世界

空や雲や海や星や月や風との語らいを
言葉へ置き換えていけたら・・・

人として

2008年12月19日 02時19分49秒 | エッセイ、随筆、小説





組織という枠内での苦渋の選択だっただろう、と前置きした上で
健常者しかいないある大手建築会社から半年もの間、健康被害を受けた結果、
一枚の薄っぺらな紙には「健康を害することはしていないつもりだ」と書かれていた。

私は「まるでクレーマー扱いじゃん」と心の中で叫び、
珍しく人前で感情をあらわにし、「約束ひとつ守れなかった結果かよ。馬鹿にするな」と
人を傷つけたい思いをぐっとこらえた。
が「責任の取れない奴が何人集まってもまともな会社になどなれない」とし、
社長に社員が犯してきた出来事の事実を把握させ、
責任についての考えを聞くというと、今までの顔つきががらりと変わった。
馬鹿だ。

歩けず、吐き、その姿をこの人たちはみている。
なのに、人としての質の問題にやっぱり日本が嫌いになった。
さっさとこの国から出て行ってやる。


と同日、ヨット仲間の先輩へ連絡をした。
たぶん、2年ぶりだっただろうと思う。
進行性の身体障害を抱えた先輩に、何を、どのように説明すればいいか言葉を選んでいたら
あっという間に2年という歳月が流れた。
そして、メールには
「あなたがこの数年、どのような足跡を辿り、いろいろな決断を下したのかと思うと
胸が塞がれます」と書かれていた。
私は彼の一文に、優しさに号泣した。
この一文を書くにあたり、どれだけの時間を割いてくれたのだろうかと思うだけで
胸がちくちくと張り裂けそうに痛む。


ヨットへ戻ろう。
なにもできないけれど、私はこの先輩との出会いによって心を開く術を得た。
なぜ、これほどまでに責任や大切なものを持ち合わせているのだろう。
けれど、社会で生活していく上で、
私は残念ながら、そうした人たちと出会えず、この闘病の歳月を送っていた。



話なら僕にでも聞けます。
それが負担になる。
彼の疲れにもなり、病状を悪化させる。
でも聞くといってくれる。


あなたにはできますか?
そして、私にはできるのだろうか?







 


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